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ニッセイ基礎研究所チーフエコノミストが考える「インフレの資産運用」とは?

財界オンライン / 2022年6月30日 7時0分

岸田政権は5月5日のロンドン講演で「資産所得倍増計画」を公表、その目玉としてNISA拡大を主張した。

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 日本には一般、ジュニア、積み立てと3種類のNISAがあり、合計1768万口座が開設されている(2021年12月末時点)。海外と比較すると、まだまだ質量とも拡大の余地はある。

 個人の金融資産は増え続けている。2000年には1400兆円だったが、足元では2000兆円を超える。一方、利子所得はピーク時(91年)に37.9兆円あったが、今では6.8兆円に低下している。残高が増えているのに、利子所得は大きく減じている。まったく利子がつかない資産である。

 デフレ下の日本では、目減りしない現金は「キング」であった。しかし、インフレに転じるなら目減りを防がないといけない。

 最近、講演などで受ける質問は海外投資はどこが良いのかという事ばかり。国内のアセットや企業の株ではない。

 インフレは、どうやら長期化しそうだ。賃金がそれに負けないくらい上昇してくれれば良いが期待薄だ。金利が付いて、キャピタルゲインも狙える海外に向けて、資金が動き出そうとしている。

 ただ、年初から米国株が大きく調整して、今は二の足を踏んでいる。この先、米国が景気後退に向かうなら、底値を狙いたいとの皮算用がある。ロシアのウクライナ侵攻でサプライチェーンが分断されて、供給問題がクローズアップされると、エネルギーや食料自給率、軍事力の高さといった米国の魅力はますます輝く。来るべき時が来れば、個人の米国シフトが雪崩を打ちそうな雰囲気がある。

 眠っていた個人マネーが一気に動き出せば、いたるところで問題が噴出する。預金を解約して、海外に投資が向かえば、日本の金融機関は国債を売却せざるをえない。動きが急であるほど、国内金利は急上昇してしまう。

 今の円安は、金利差と貿易収支赤字から説明されるが、この先個人が動き出せば、資本の流れが大きく変わっていく可能性もある。だからこそ、5月5日にロンドンで講演した岸田首相は、日本への積極的な投資を外国人に強く呼び掛けたのだろう。

 たとえ、日本から海外に向けて、個人投資が動き出したとしても、それを相殺する投資が海外から行われれば、株価や為替に及ぶ影響は緩和される。

 加えて、株式投資などを行う個人のニーズをかなえつつ、国内で資金を還流してもらおうとする仕掛けが、NISAの拡大である。

 デフレからインフレになれば、必然的にマネーフローは変わる。日本に魅力がないままでは、国内に滞留していた巨額のマネーが、インフレとともに流れ出してしまう。

 これは、新しい資本主義の下で、日本の成長をどう確保していくのか、そこに通じる問題でもある。

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