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【コロナ禍で生活が変化】家電ベンチャーが白物家電市場を開拓

財界オンライン / 2022年7月5日 11時30分

ボロネーゼスパゲティの食材を入れた状態(上)と調理完了後の状態(下)

コロナ禍の巣ごもり需要で、2020年度は過去10年で最高の出荷額(2兆6151億円)となった国内の白物家電市場。21年度も2兆5062億円、今年も2兆5014億円を見込むなど、好調を維持している。

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 こうした中、近年、白物家電フロアで売り場を拡大させているのが「キッチン家電」。さらに細分化された〝糖質カット〟や〝ノンフライヤー〟など「健康家電」や家事の負担を軽減する「時短家電」が人気を集めている。

「時短家電」でも特に人気が高いのが、食材を入れるだけで短時間でシチューや煮込み料理ができる「電気圧力鍋(自動調理鍋)」。ユーザーが調理メニューを考案してSNSで紹介するなど、盛り上がりを見せている。「火を使わないので安心」「他の家事を同時進行でこなせる」など、仕事と育児の両立で忙しいママ層の支持を得ている。

 ただ、電気圧力鍋は〝炒め物〟の自動調理はできないため、どうしても「レシピに偏りが出てしまう」という課題がある。そこで新たに登場したのが富士通社内ベンチャーからスタートした、家電ベンチャーAINX(アイネクス)社の『スマート・オート・クッカー』。

 蓋に取り付けた「かき混ぜウイング」が調理メニューに応じて鍋の中の食材をかき混ぜてくれるので「食材を入れるだけで様々な料理ができる」家電だ。調理可能なメニューは、チャーハンやエビとブロッコリーの炒め物など多岐にわたる。

 例えば、ボロネーゼは鍋に油を敷き、スパゲティ、ひき肉、タマネギ、缶詰のトマト、水、調味料を入れて、ボタンを押すだけ(写真参照)。12分後にはボロネーゼスパゲティが完成する。

 AINXはその他、炊き込みごはんも作れる糖質33%カットの炊飯ジャーや工事不要の食洗器など、アイディア家電を開発。

〝デザイン〟にこだわり、〝生活に役立つ特徴的な機能〟でレッドオーシャンの家電市場を攻める。「市場が大きいからこそニッチなブルーオーシャンがある」(AINX取締役・高崎信義氏)。

『スマート・オート・クッカー」は「調理中に掃除や洗濯を済ませたり、家族と過ごしたり、(時短ではなく)新しい時間を生む『時産家電』」(高崎氏)。

 かつて大手家電メーカーの寡占状態だった家電市場だが、アイディアやデザイン勝負のベンチャー企業の参入で、市場の深掘りが進む。

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