後継者選び続く『日本電産』 一方、市場は永守氏復帰に反応せず?
財界オンライン / 2022年7月8日 18時0分
「もうそろそろ引退させてほしいと思っていたら、業績が悪くなって、株価が下がった。このままでサヨナラと言うわけにはいかない」
日本電産が6月17日に株主総会を開催。来年4月から社名を「ニデック」に変更することが正式に決まった他、会長の永守重信氏は、今年4月にCEO(最高経営責任者)へ復帰した理由をこのように語った。
2020年4月に日産自動車のナンバー3だった関潤氏が社長となり、昨年6月から関氏をCEOとする新たな経営体制が始まっていた日本電産。ただ、コロナ禍で業績回復が遅れているとして、永守氏が今年4月からCEOに電撃復帰。関氏は社長兼COO(最高執行責任者)となった。
とはいえ、2022年3月期の連結業績は増収増益。過去最高益となっており、 ”業績が悪くなった”わけではない。このため、周辺では関氏を擁護する声も多いが、「最高益でも永守氏が最低限とする営業利益率2ケタには届かず(8・9%)、関氏が牽引する車載事業が減益になったことなどが要因として考えられる」(アナリスト)。
これまでも永守氏はシャープ元社長の片山幹雄氏など、後継候補を外部からスカウトしてきたが、いずれも退任している。ただ、前述のアナリストは「以前なら永守氏が復帰することで株価は上昇した。今回は株価が下落したままで、市場の評価は必ずしも永守氏の復帰を良しとしていない」と指摘する。
すでに永守氏は、ルネサスエレクトロニクス出身でソニーグループ執行役員だった大村隆司氏や三菱商事常務だった吉田真也氏などをスカウト。「逃げるつもりはない」と語った関氏を中心に、永守氏の後継者選びが今後も続きそうだ。
【51年連続の黒字経営】アパグループが新体制に移行
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