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【航空業界で独立した第三極を維持】スカイマーク・洞駿社長が語る「大手と格安の〝真ん中〟の客層を狙う!」

財界オンライン / 2022年7月11日 18時0分

洞駿・スカイマーク社長

1947年福岡県生まれ。71年東京大学法学部卒業後、運輸省(現国土交通省)入省。2001年自動車交通局長、02年航空局長、03年国土交通審議官などを歴任。07年から全日本空輸の常勤顧問や副社長を務める。18年スカイマーク顧問、20年2月から現職。

「(高品質で高単価な)フルサービスキャリアと(徹底的にサービスを省略した低価格の)格安航空会社の〝真ん中〟を求める顧客層はいる。大手には属さない第三極という立ち位置を維持しつつ、独自路線に磨きをかけ、拡大・発展したい」

回復する需要獲得への備え 【ANA】などの羽田国内線が正常化

 中堅航空会社として誕生し、38の羽田空港発着枠を持ち、「ボーイング737‐800」の単一機材運用でコロナ前は営業利益率が8%台だったが、2021年3月期は163億円の最終赤字になった。だが、GWを境に「客足は戻りつつある」と語り、夏には減便ゼロに。
 
 15年に新体制になってからサービス品質を磨いてきた。20年度の定時運航率では4年連続で日本一、かつて最下位だった顧客満足(日本生産性本部の調査)でも20年度は首位を獲得。

「安全・安心に加え、高い定時性が加わってビジネス需要も全体の4分の1にまで拡大した」

 コロナ禍を受け、19年11月から運航していた国際定期便の成田―サイパン線は運休にするも、「再上場の準備は継続している」。また、今後の羽田発着枠の見直しや神戸、福岡各空港の発着枠拡大を機に、国内路線網の拡大を視野に入れる。まずは成長軌道に戻した上で、「より客席数の多い機材の導入も検討している」と明かす。

 布石は打っている。国土交通省による羽田発着枠政策コンテストで羽田―下地島(宮古島)線で「トライアル運航」を実施。神戸、那覇の計3拠点から下地島(宮古島)へ乗り入れ、「透明度の高い海や離島を求める若い人を中心に利用客が増えている」。羽田線では貨物も展開。「マンゴーやゴーヤ等の生鮮品も多く、嬉しい誤算が続いている」

 1996年の規制緩和で生まれて25年余。「設立の原点である競争を維持するのが我々の存在意義。これを放棄してしまえば、利用客にとっても非常に不幸なこと」と強調し、出資を受けるANAホールディングスとも連携するが、独自システムを運用するなど自立を堅持する。

 多忙な合間でも「クラシックを聴きながらの読書が至福の時間」と屈託ない表情で笑う。

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