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【個別指導の「森塾」など展開】スプリックス社長が目指す「日本発の教育カンパニー」の姿とは?

財界オンライン / 2022年7月26日 7時0分

常石 博之・スプリックス社長 

顧客のニーズに対し費用対効果の高いサービスを 当社は個別指導塾の「森塾」、AIタブレットと正社員講師による自立学習塾「RED」、オンライン個別指導塾「そら塾」といった学習塾サービスやプログラミング教育などの教育関連サービスを展開する総合教育カンパニーです。

【写真で見る】スプリックスが展開する教室での授業、社長の仕事に密着!

 学習塾業界の市場規模は1兆円弱です。少子化傾向にありながら、その規模が変わっていないのは、1人のお子さんにかける教育の金額が増加しているからです。また、学習塾に通う層が広がりを見せていることも、大きな要因です。

 我々の事業は他社との差別化を意識してきたというよりは、お客様のニーズに対して、費用対効果のよいサービスでお返しすることを徹底してきています。

 例えば昔から、所得の高いご家庭のお子さんの学力は高いというデータがあり、多くの塾がそうした層をターゲットにしたビジネスを展開してきました。

 その一方で、塾には来ているけれども授業の内容がわからず、ただ授業料を支払っているだけになってしまっているお子さんも現実にいます。当社の創業者が、そうしたお子さんこそ、きちんと指導して、学力を引き上げたいという思いを持ち、新潟県長岡市で先生1人に生徒2人までの個別指導塾を立ち上げたのが「森塾」の始まりです。

 この層に個別指導はビジネスにならないというのが業界の定説でしたが、当社はオペレーションの効率化、仕組み化を進めて、収支バランスを取ることができました。

 ミドル層のお子さん達が、楽しく通えて成績が上がるという学習塾サービスを、リーズナブルな価格で提供することに成功したのです。森塾では業界で初めて「1科目+20点の学校成績保証」を明確に打ち出しました。 

 20年11月には、「森塾」、「河合塾マナビス」をフランチャイズ展開していた「湘南ゼミナール」の全株を取得して子会社化しました。

 これによって高校部の拡充、「河合塾マナビス」との相乗効果の発揮を目指します。また、集団指導の湘南ゼミナールに、我々の「仕組み化」を導入して、その潜在力を引き出すことも考えているのです。

「人生に新たなステージを」  20年2月にはサイバーエージェントさんと共同出資で、プログラミング検定の開発・実施を行う会社「プログラミング総合研究所」を設立しました。「QUREOプログラミング教室」、「プログラミング能力検定」を運営しており、現在この分野では最大手となっています。

 我々のミッションは、社名にもなっていますが、「教育」を通して、世界中の人に「人生の新たなステージ(春)」を届けることです。

 短期的には、当社が展開する国際基礎学力検定「TOFAS」や、AIを搭載したタブレットで基礎学力を効率的に鍛える「DOJO」など、基礎学力を伸ばすための事業の展開を加速させています。AIについては、AI研究の第一人者である東京大学の松尾豊さんと共同開発体制を組んでいます。

 我々が目指す将来像は「日本発の教育カンパニー」として世界に打って出ることです。ビジョンは、当社のメンバーが世界中どこに行っても「私はスプリックスのメンバーだ」とプライドを持って言える会社にすることなのです。


常石博之 つねいし・ひろゆき
1971年4月広島県生まれ。94年慶應義塾大学経済学部卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。2004年スプリックス取締役、07年取締役副社長、18年代表取締役社長に就任。

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