電動バイクの実験「eやんOSAKA」が終了 普及の鍵は交換式バッテリー?
財界オンライン / 2022年8月1日 18時0分
「電動二輪車のバッテリー交換サービスの大きな可能性を感じる」─。こう手応えを語るのは日本自動車工業会(自工会)二輪車特別委員会会長でヤマハ発動機社長の日髙祥博だ。モビリティを巡っては電動化の普及が大きな課題になっているが、二輪車の電動バイクの普及に向けた礎が見出されている。
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2020年から自工会では大阪大学と共同でバッテリー交換式電動二輪車の実証実験「eええやんOSAKA」を行ってきた。実証は3カ月ごとに計1年6カ月にわたって実施。阪大の学生と教職員130人に電動二輪車を貸し出し、街中での日常生活に活用してもらった。
実験の結果としては、季節変動があるものの、走行距離は1カ月当たり100~300キロとガソリン車とほぼ変わらない走行実績だった。
バッテリーの交換場所はキャンパス内の2カ所と近隣のコンビニエンスストア「ローソン」に10カ所設けた。利用結果はキャンパス内がほとんどで、コンビニは主要道路沿いのコンビニが多かった。
中でもバッテリーのシェアリングの利便性の高さが評価された。利用者によって利用距離や利用頻度にばらつきが出たが、バッテリーの共同利用で個々のバッテリーがシャッフルされて使用回数は平準化。極端に劣化が進むバッテリーが出にくくなるという検証もなされている。
自工会電動二輪車普及部会長の長田展英氏は「バイク本体とバッテリーを切り離すことで、バッテリー代を定額で払うサービスや多様な形での販売ができる」と語る。
既にホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国内二輪大手4社は電動バイクのバッテリーや充電設備などの規格統一化や共用化などを進めている。
さらに全国でガソリンスタンドを展開するENEOSと共同で新会社を設立し、今秋にも大阪と東京で電動バイクのバッテリーのシェアリングサービスを展開する予定だ。まずは警備会社などが対象になる方針で、今後、充電設備を増やしていく。
コロナ禍で密を避けることができるバイクの需要は高まったが、そもそも電動バイクは電気自動車よりも普及していない。今回の取り組みが突破口になるか。各社の知恵が試される。
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