【くら寿司】が220円皿を拡大 回転ずし業界で価格戦略に差
財界オンライン / 2022年7月28日 15時0分
「100円」という価格で家族客を中心に、外食業界の中でも堅調だった回転ずし業界。大手3社の価格戦略で三者三様の動きを見せている。
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「抑えるところは抑えて、贅沢するところをちょっと贅沢にしようという人が非常に増えてきた。拡大するメリハリ消費に対応していく」─。 こう語るのは国内で約500店舗を運営する業界3位・くら寿司取締役広報・マーケティング本部長の岡本浩之氏だ。
同社はこれまで季節の限定商品などを除いて原則1皿110円(税込)で販売していたが、方針を転換。新たに1皿220円(同)の商品を導入した。7月8日から110円の品目数を今のおよそ70から60程度に減らし、220円の商品を19品目導入。岡本氏によれば「110円と220円の商品の割合が7対3から6対4になる」。
人気のまぐろやはまちなどの110円の商品は残しつつも、プチ贅沢の需要を取り込むため、「あぶりたて」や「揚げたて」、海苔を巻かずに提供することで海苔のパリパリな食感を楽しめる軍艦の「巻きたて」など「できたてシリーズ」として220円でも付加価値をつけた。
既に値上げに動いた企業もある。38年間続けてきた1皿100円(税込110円)の看板を下ろしたのが業界首位で約600店超を展開する「スシロー」だ。運営するFOOD & LIFE COMPANIESは創業以来、商品の質にこだわりを持っており、「平均原価率は50%を超える」(同社)。値上げでそのポリシーは守る考えだ。
同社は郊外型、準都市型、都市型という3つの店舗区分を持ち、それぞれで価格帯を変えている。今回は郊外型の価格帯が唯一提供していた100円を税込120円に値上げする。
一方でゼンショーホールディングスが運営する2位・はま寿司(約550店)は「平日寿司一皿90円キャンペーン」を終了したが、1皿110円(税込)や165円(同)の主力商品の価格は据え置いている。 各社にとって原材料価格の高騰は共通課題。三者三様の戦略だが、低価格帯の商品を維持しながらも高価格な商品を織り交ぜることによって値上げの余波を和らげる狙いがありそうだ。
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