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“日の丸半導体”復活なるか 経産省が『キオクシア』に巨額補助

財界オンライン / 2022年8月3日 7時0分

早坂伸夫・キオクシア社長

経済安全保障上、不可欠な半導体を国内で生産できるよう

 

「半導体サプライチェーン(供給網)の強靭化や、半導体産業の発展に貢献することが期待されている。経済産業省としても、関連人材の確保を含め、地方自治体や関係省庁と連携しつつ、しっかりと伴走していく」

 こう語るのは、経済産業大臣の萩生田光一氏。

 経済産業省は、半導体大手キオクシアや協業の米ウエスタンデジタルが、三重県四日市市に建設する新たな生産設備(第7製造棟)に対し、最大929億円を補助することを決めた。経済安全保障上、不可欠な半導体を国内で安定して生産できる体制をつくることが目的だ。

 政府は6月に、ファウンドリー(半導体受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に建設する新工場に対して、最大4760億円を補助することを決定。今回が巨額助成の第二弾となる。

 キオクシア社長の早坂伸夫氏は「日本政府からの支援に感謝している。経済安全保障の観点において重要な半導体である最先端フラッシュメモリの安定的な国内生産を継続し、国内・地域経済や半導体関連産業の発展に貢献していく」とのコメントを発表。主力の3次元フラッシュメモリや、次世代製品の開発・生産を目指すことになる。

 ”産業のコメ”と言われる半導体。パソコンやスマートフォン、自動車など、現代の生活に不可欠なもので、今後も持続的な成長が見込まれている。足元では長期化する米中ハイテク覇権争いや深刻な半導体不足など、半導体のサプライチェーン構築は大きな課題。半導体の安定供給を図ることは、経済安全保障の観点からも重要である。

 元経産官僚で、明星大学経営学部教授の細川昌彦氏は「日本は食料もエネルギーもない脆弱な国。そういう国が生き延びていくには技術を磨いていくしかない。国益の観点から何が脅威で、何を守るべきなのか。官と民でこの共通認識を共有していく必要がある」と繰り返す。

 経産省は「これが日本の半導体復活のラストチャンス」と強調する。産業政策を進める上で、国(政府)が方向性を決めることは大事だが、一方で、民間の知恵や創意工夫も必要だ。

〈経済安全保障の再構築〉 答える人  明星大学経営学部教授 細川 昌彦

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