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【企業のDXを支援】デジタルホールディングス・野内敦社長「企業をデジタルシフトに導く」

財界オンライン / 2022年8月22日 7時0分

野内敦・デジタルホールディングス社長 グループCEO

国として確固たる成長産業の確保を
 この2年半のコロナ禍は世界、日本の経済に大きな影響を与えましたが、それでも一過性のものだと見ていました。ただ、今回のロシアのウクライナ侵攻は様相が違うと感じています。

【写真で見る】デジタルHD・野内敦社長の1日に密着!

 日本が「次」の新たな産業の柱への投資ができていない中で、こうした事態が起き、エネルギー確保の問題など国としての脆弱性が顕在化しました。国として確固たる成長産業を確保することが必要になっています。

 我々はネットバブル崩壊、リーマンショックなどの危機を経験してきましたが、景気は循環するものですから、この状況がずっと続くとは思っていません。我々にできることは、どんな事態が起きても、その環境に適応できる会社であり続け、次の成長機会を掴むことです。

 当社は、「デジタルシフト」を通じてすべての企業を支援する企業です。2020年7月に「オプトホールディング」から商号を変更しました。「デジタル化」にはデジタイゼーション(業務のデジタル化)、デジタライゼーション(デジタル化で業務・サービスの付加価値を高める)、そしてデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル化で事業を変革すること)という段階があります。

 日本では一部の大企業が本気でDXに取り組んでいる一方、多くの企業ではまだ、デジタイゼーションにとどまっており、ビジネスモデル変革にまでは至っていないのが現状です。

 しかし、我々はネット広告からデジタルシフト支援に事業のカジを大きく切った時からDX、さらにその先にあるIX(Industrial Transformation®=産業変革)こそがデジタル化の「本丸」だと言い続けてきました。今後、日本でも変革の動きが出てくると見ています。

 カギを握るのはスタートアップの動きです。彼らが「ディスラプター」(破壊的企業)として既存産業を刺激することが必要だと考えています。それによって大企業が本気で変わろうと動くことが期待されます。我々の役目は企業の「変わろう」という意思を刺激していくことです。本当の意味での「危機感」が、経営トップから、組織全体に伝わって初めて変革が起こるのだと思います。

デジタル化を通じて産業の新たなルールを
 我々自身も変革に向けて新しい姿になったわけですが、社内が変わっていくのは決して簡単だったわけではありません。今も変わり続けている最中ですが、それを象徴する社内イベントが「New Value Forum」です。従来、成績優秀チームを表彰していた納会に加え、「新しい価値創造」への情熱と挑戦を讃える社員総会を新たに設けました。

 22年1月の開催時には、当時グループ約1500人の中から約150人がエントリーし、書類審査、予選を経て、5チームのファイナリストに絞られました。我々経営陣だけでなく、社員皆がリアル、オンラインで投票する形式です。参加したメンバーはもちろん、社員全員の当事者意識を醸成する上で重要なイベントだと考えています。

 我々はかつて、ネット広告の世界で広告効果の可視化という産業のルールを変える「ゲームチェンジャー」となることで飛躍につなげてきました。今後はネット広告はもちろんのこと、あらゆる産業でデジタル化を通じた新たなルールを創り、その産業を変えることに貢献するとともに、自らも成長していきたいと思っています。


のうち・あつし
1967年12月東京都生まれ。91年東京理科大学工学部卒業後、森ビル入社。96年オプト入社。99年オプト取締役、2017年オプトホールディング取締役副社長グループCOO、20年3月デジタルホールディングス代表取締役社長 グループCEOに就任。

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