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通信障害発生時に業界全体でカバーする仕組みはないのか

財界オンライン / 2022年8月24日 11時30分

「社会インフラを支え、安定したサービスを提供しなければいけない通信事業者として、重く受け止めている。再発防止策の徹底を図り、サービスの安定的な運用に向け全力で取り組んでいく」と語るのは、KDDI社長の髙橋誠氏。

 7月に発生した約86時間にわたる過去最大規模の通信障害を起こした問題で、KDDIはスマートフォンや携帯電話の契約者3589万人を対象に、1人200円を返金することを決めた。また、障害が発生した原因について、設備の交換時に最新ではなく、古いマニュアルを使用した”人為的なミス”だったことも明らかにした。

 もはや、スマートフォンは国民の約8割が保有しており、日常生活や仕事に不可欠の社会インフラとなっている。今回の障害を巡っては、利用者の通話ができなかったことで、宅配便の配送状況更新や配達ドライバーへの連絡が滞ったり、銀行のATM(現金自動預払機)が利用できなくなったりした。

 また、KDDIの通信障害に続いて、7月にはNTTドコモの高速大容量規格「5G」でも障害が発生。約1時間余り、契約者の一部でインターネット通信が利用しづらくなったことを踏まえ、官民それぞれに再発防止策の検討に乗り出している。

 焦点になっているのが、臨時的に他の事業者のネットワークに乗り換えることができる”ローミング”の実現。ソフトバンク社長の宮川潤一氏は、かねてからローミングの議論は出ていたとして、「もっと継続して話し続けるべきだったと思う」と指摘。ただ、システムの改修費用を誰が負担するのかなど、現状では課題も多い。

 他にも2台以上の携帯電話を保有している人はソフトバンクやNTTドコモなど、別々の会社の携帯を持つとか、有事の代替手段を準備しておくことも必要だろう。企業はこうした点も含め、情報システムに関する事業継続計画(IT-BCP)の構築や点検が求められる。

KDDIが過去最大の通信障害 今後の焦点はユーザーへの補償

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