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【株価はどう動く?】米ハイテク銘柄に強い動き、日米の年末高はあるか?

財界オンライン / 2022年8月31日 7時0分

米ハイテク株復活の目安はアマゾン、アップルの動き
 2021年11月から始まった米国の金融引き締めは、22年は0.75%という通常の3倍ペースの利上げを実施しています。ただ、このFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げを、マーケットはかなり織り込んだのではないかと思われます。

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 米国の主要な株価は当面の安値を織り込んで目先、底値を形成したような形です。8月に入って、株価は戻り局面が続いてきましたが、これがいつまで続くかを読む必要があります。

 私は以前から、7月が相場の転機になると予測してきました。なぜなら「日柄」というのは、短期では2、3カ月、中期では数カ月から半年、長期では12、13カ月というのが「酒田五法」の読みだからです。

 この「時間の波動」は非常に重要です。価格の動きよりも時間の推移の方が相場を見通す上では大事だということです。

 21年11月下旬には株式市場の上昇を牽引してきた米ナスダック市場が天井を打ちました。この半年後は22年の5~6月頃です。なので7月、年央頃までに相場の転機がやってくるのではないかと思っていたのです。

 米利上げを織り込んで、それまで売られていたナスダック上場のハイテク銘柄が当面の底値を入れて戻るのではないかと見ていましたが、その時間の波動通り、6月末くらいまでにはほとんどの銘柄が底入れし、7月からは反騰を開始しました。

 7月の1カ月間、ナスダックは6月末比で12%上昇、アマゾンは月間で27%、アップルは19%上昇しました。チャートを見ると、アップルは半値戻しの壁を突破してきています。テスラも半値戻しまで来ています。

 前述のように、米国の株式市場では金融引き締めを織り込んでリバウンド相場が始まっていますが、意外と強い動きです。日柄だけでなく、7月に発表された米ハイテク企業の決算がよかったことも影響しています。

 加えて、6月、7月をピークにFRBの利上げペースが鈍化するという見方がウォール街に出てきています(8月26日のジャクソンホール会議ではFRBのパウエル議長は金融引き締めへの強い決意を示した)。これらの要因で、前回説明した戻り相場が強い動きになっているのです。

 例えば、アマゾンの最近の高値は135ドル台ですが、5月、6月に102ドル、101ドルで底入れしています。

 足元の動きを見ると、ハイテク株に世界のマネーが戻り始めています。1つのメルクマール(指標)がアマゾンの動きです。アマゾン株の天井から底まで下げた後の3分の1戻しは130ドル台ですが、この水準はすでに突破して、半値戻しである145ドル台に近づいています。

 もし、145ドル近辺を突破してくるようであれば、リバウンド相場よりは、もう少し強い戻りとなり、直近の高値に接近する動きになるかもしれません。

 今のハイテク株のリーディングストックはアマゾン、アップルではないかと見ています。アップル株の半値戻しは155ドルですが、7月29日には163ドルを付けて突破しています。

「半値戻しは全値戻し」という相場の格言通りならば、アップルの最近の高値である180ドル近辺まで戻って、ダブルトップ、トリプルトップを形成した後、経済の実体悪で再び下落するという状況が秋口にも訪れるかもしれません。つまり、夏に株価が最近の高値まで戻して、秋に押し目を入れて、その後年末高という動きになるのではないかと見ています。

 日本の株価の動きを見ると、日経平均は2万5000円から2万8000円のゾーンのボックス相場になっています。米国のハイテク株が戻ってくると、グロース市場(旧マザーズ市場)も底入れして戻ってくることになります。今、すでに上昇を始めている銘柄も出てきています。

 旧マザーズ銘柄、新興株、IPO銘柄が上がってくるようでないと株式市場は活気づきません。個人が市場に戻ってきていることを示す動きだからです。

 21年11月以降、米国の金融引き締めでハイテク株、グロース株は大きく売られましたが、ここで大きく損をした人たちが、秋口から年末にかけて再び参入してくる可能性があります。

 秋口から年末にかけての買い材料は何かを見ていくと、まず8月、9月に米国の利上げに終止符が打たれる可能性があります。しかし、その前にこれまでの金融引き締めの結果、米国景気に実体悪が出てきて、戻った後、再び株が売られることになるかもしれません。それが11月の中間選挙前後から再び上昇を始めることになるというのが一つの読みです。

 日米ともに選挙は「買い」です。振り返れば、先の米大統領選の時から株価は上昇しています。ただ、この時の上昇には大きな波と小さな波があり、日本の参院選における与党の勝利は底値圏を脱出する小さな波で、新高値を取るほどの力にはなりませんでした。今のままなら、ボックス相場から2万8000円の壁を突破する程度の動きが秋口に予想されます。

 日経平均の高値、3万円を奪回するためには、年末に向かってアマゾンやアップルのようなハイテク株が二番底を入れて上昇し、新高値を付けるような展開になることが必要です。

 私は米国株価は、夏に利上げを織り込んで上昇した後、経済の実体悪で二番底を入れて、米中間選挙前後から上昇を始めて年末高になると見ています。

 米国のバイデン大統領は、次の大統領選で再選を目指していますから、中間選挙の結果にかかわらず米国の景気をよくする、あるいは米国民が喜ぶような財政出動、景気対策を再び打ってくるのではないでしょうか。

 一方、日本も8月に内閣改造、自民党役員人事を行って、9月末の安倍晋三・元首相の国葬の後くらいから、岸田政権の経済政策が動き出します。「貯蓄から投資へ」で、資産所得倍増を目指しているわけですが、その道筋が具体的な形となって出てくるかどうかです。「岸田プラン」が絵に描いた餅で終われば2万8000円の壁を超える程度でしょう。ただ、米国のハイテク株が大幅高となるような展開となれば、日本の政策にかかわらず年末高になると見ています。

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