【厚生労働省】最低賃金、異例の長期交渉に 過去最大の上げ幅
財界オンライン / 2022年9月14日 11時30分
中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は8月、2022年度の最低賃金を全国加重平均で31円を引き上げて961円とする答申をまとめた。過去最大の上げ幅で、2年連続3%超の引き上げとなった。
物価高騰が生活を直撃する中、賃金引き上げの必要性では労使双方で一致していたが、具体的な上げ幅や算定基準では議論が紛糾。7月中の合意を目指していたが、8月にずれ込む異例の長期戦となった。
今回の交渉では、全国の消費者物価指数が急騰していることを踏まえ、労働者側は大幅な賃金アップを主張。一方、原材料高を価格転嫁できず、苦しい経営が続く中小企業も多い中、企業側も安易に譲れず、ぎりぎりの交渉が続いた。
労働基準局のある幹部は「こちらから早く決めてくださいと言えず、やきもきした。最終的に双方が納得する形で決着してよかった」と振り返る。
ただ、今回長引いたのは物価高騰に加え、「21年度の交渉の混乱が尾を引いている」との見方も根強い。菅義偉前首相の意向を受け、政府主導で増額された経緯があるため、ある官房幹部は「特に経営者側にわだかまりが残った」と明かす。
過去最大の引き上げ幅にはなったが、岸田政権で目標に掲げる「1000円」に達しておらず、他国と比較しても引き上げペースはまだまだ低いのが現状だ。また、地域間の賃金格差も解消されておらず、最も高い東京都と最も低い地域では200円以上の差が出ている。
この官房幹部は「賃金が上がらなければ消費は伸びない。消費が伸びないから賃金も上がらない。この悪循環をどこかで断ち切らなくてはいけない」とさらなる賃上げの必要性を強調。最低賃金アップに加え、働き方改革の推進や中小企業の支援など、労働条件の改善も引き続き求められそうだ。
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