【国土交通省】航空燃料の脱炭素化を後押し 「飛び恥」解消へ基本方針案
財界オンライン / 2022年9月30日 11時30分
国土交通省は9月1日、航空分野の脱炭素化に関する基本方針案をまとめた。50年までに航空分野で、二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル(CN)の達成を目指すと明記。植物由来の原料などから作る持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進や空港施設の省エネ化といった対策を盛り込んだ。
国交省は関連事業者の意見も取り入れて基本方針を12月に正式決定。これに基づいて航空会社や空港事業者がそれぞれ脱炭素化推進計画を取りまとめ、取り組みが本格的に始動する見通しだ。
航空産業はジェット燃料を消費して大量のCO2を排出するため「飛び恥」とも批判される。CNに向けて克服すべき課題は多く、同省や事業者らのこれまでの会議では政府の積極的な関与を求める声が多く寄せられた。汚名返上には官民が全力を挙げた対策が必要になりそうだ。
基本方針案は、50年CNの達成へ「航空の脱炭素化への取り組みは不可欠」と強調。30年までに達成する目標として、国際航空で総排出量の増加を制限し、国内航空では単位輸送量当たりのCO2排出量を対13年度比で16%削減すると規定した。各空港でも温室効果ガス排出量を対13年度比で46%以上削減すると定めている。
SAFに関しては、30年までに国内航空会社の燃料使用量の10%を置き換える目標を設定。「国際競争力のある国産SAFの安定的な供給」に向けて国交省や経済産業省などが連携して支援策を講じる方針も盛り込んだ。SAFは通常の燃料よりも高コストとなるため、利用者に理解を求める啓発活動の必要性も指摘している。
もっとも、国交省航空局の幹部は現在の国産SAFについて「実用化になるレベルではない」と指摘し、国際的な認証制度にどう適合させるかの研究もこれからだと説明する。「脱飛び恥」への道のりはまだ始まったばかりと言えそうだ。
【政界】旧統一教会問題と新型コロナが足かせに 最大の危機を迎える岸田首相
この記事に関連するニュース
-
2024年12月2日に初開催の「ACT FOR SKYシンポジウム」で木村化工機が講演「SAF用バイオエタノールの自給に向けた新プロセス構築について」
PR TIMES / 2024年11月20日 18時15分
-
EcoCeres社とユーグレナ社 日本における持続可能な航空燃料(SAF)と次世代バイオディーゼル燃料(HVO)の普及促進に関する基本合意書を締結
PR TIMES / 2024年11月18日 17時45分
-
エア・カナダ、カナダで使用する「ネステMY持続可能な航空燃料 (SAF)」を約7,800万リットル調達
共同通信PRワイヤー / 2024年11月15日 15時30分
-
【ダイキン】COP29で環境省、国土交通省が主催するセミナーに登壇
@Press / 2024年11月5日 14時0分
-
(共同リリース)ピーコックストア全36店舗で国産SAFの原料となる家庭からの廃食油回収を開始
PR TIMES / 2024年10月28日 17時15分
ランキング
-
1「無人餃子」閉店ラッシュの中、なぜスーパーの冷凍餃子は“復権”できたのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月20日 6時15分
-
2年金の繰下げ受給、やっぱりやめます!…年金月20万円、定年後も働く64歳・サラリーマンが驚愕した年金制度の思わぬ「落とし穴」【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 11時15分
-
3追い込まれたドコモ、「値下げ競争再燃」へ火蓋切る 競合も追随、業界は"ゼロサムゲーム"加速か
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 7時30分
-
4ブランド物を欲しがる人と推し活する人の共通点 囚われの身になってしまう、偶像崇拝者たち
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 14時30分
-
5フリーWi-Fiに潜む危険?リスク認識と対策は URLや速度に留意、設置側もメンテナンス必須
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください