『アバター』活用で何が変わるの? ローソンが新たな雇用形態を模索
財界オンライン / 2022年10月7日 15時0分
「コロナ禍でリモートが当たり前になり、オフィスに行かなくてもいい働き方が当たり前になってきている。そういった中で、アバター(分身画像)を使えば北海道にいる人が東京で働くことも、沖縄で働くこともできるようになる。自由自在にアバターという技術を使えば、時間や場所を選ばず、自分の働きたい働き方ができる」と語るのは、ローソン社長の竹増貞信氏。
少子高齢化・人口減少時代に入り、人手不足が顕著になる中、コンビニエンスストア大手のローソンが、アバター事業を手掛ける(アビータ)と協業。店舗に〝アバターワーカー〟と呼ばれる新たなスタッフを配置し、人手不足の解消へつなげたい考えだ。
アバターとは、カメラで撮影した自分の身体や動きをリアルタイムでモニターへ投影する仕組み。画面上のキャラクターを介して、遠隔地から来店客にお勧め商品の提案や接客ができる。
例えば、セルフレジの使い方に戸惑う来店客がいれば、隣のスクリーンに映されたアバターが使い方をレクチャーしてくれる。話しかけてくれたのは、そばにいる店舗スタッフではなく、実際は遠隔地で対応しているスタッフというわけだ。
ロボット研究の第一人者として知られ、代表取締役で大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒浩氏は、「アバターを通じて、高齢者や障がい者を含む誰もが、いつでもどこでも仕事や学習ができ、通勤通学は最小限にして、自由な時間が十分にとれるようになる社会を実現したい」と語る。
ローソンは9月からアバターワーカーを公募・育成。2023年度には東京・大阪の店舗で50名、2025年度には全国で1千名のアバターワーカーが活躍することを見込んでいる。
「ロボティクス化やデジタル化はどんどんしていく。ただ、冷たいロボティクス化やデジタル化ではなく、人のあたたかさと最先端の(デジタルトランスフォーメーション)が融合した、未来にあるべきお店づくりを実現したい」と語る竹増氏。
新たな技術の活用で、時間や場所に捉われない働き方や、人手不足の解消を図ることはできるか。同社の試行錯誤が続く。
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