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山形県酒田市の【日本海ヘルスケアネット】がマーク・ビアーズ賞を受賞

財界オンライン / 2022年10月17日 11時30分

山形県酒田市の日本海総合病院

膨れ上がる医療費をどう抑制するか─。社会保障給付費の3割超を占める日本の医療費は年々増加し、本年度は44兆円にのぼると見られる。加えて、昨今の円安基調で医療機関が使う材料費も増加する傾向だ。

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 そんな中、山形県酒田市にある日本海総合病院を中心に、地元の医師会や介護施設などの法人で構成される地域医療連携推進法人・日本海ヘルスケアネット(HCN)が「第1回マーク・ビアーズ賞」を受賞することになった。マーク・ビアーズ賞は高齢者に適切な薬物治療を推進し、医学事典「メルクマニュアル」の編集長を務めたマーク・ビアーズ氏にちなんだものだ。

 同賞は日本フォーミュラリ学会により地域医療で適切な薬物治療の推進に貢献した個人や団体に対して授与される。フォーミュラリとは医療費を節約するという意味。病院の施設内で運用される「院内フォーミュラリ」と地域単位で運用される「地域フォーミュラリ」に大別される。

 中でも後者は地域医療全体で最新かつ最良の科学的なエビデンスに従って、医学的妥当性や医療経済性などを踏まえた「標準的な薬物治療」を実施し、治療を享受する患者の臨床的結果を最良の水準にする必要がある。

 その地域フォーミュラリを最初に実践したのが日本海HCN。18年に日本海総合病院で院内フォーミュラリを運用開始。翌年には地域フォーミュラリもスタートした。有効性や安全性、経済性を考慮した医薬品使用指針を地域で策定して実施。11品目で導入したことで、医薬品費の削減効果を実現した。

 少子高齢化に直面する日本の医療にあって、医薬品の適正利用や医療費の適正化、国民健康保険保険者の負担軽減などは共通の課題。山形を拠点に日本全体をにらんだ病院連携が進んでいる。

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