【金融庁】「貯蓄から投資」の促進へ 国家戦略で金融教育を提唱
財界オンライン / 2022年10月10日 15時0分
金融庁が国民の金融リテラシー向上を図る「金融教育」を国家戦略として推進するよう提唱している。岸田文雄首相の看板政策である「新しい資本主義」の柱となる資産所得倍増プランを実現するには、「貯蓄から投資」の流れを定着させる必要があると考えたためだ。
金融庁は従来、投資促進策として少額投資非課税制度(NISA)の拡充などの制度整備に腐心してきたが、幅広い国民が積極的に資産形成に取り組むようにするには「金融知識を養った上で、的確に投資判断できる環境が不可欠」(企画市場局幹部)と判断。現状は主に民間金融機関任せとなっている金融教育を、金融庁や日銀が主導して「国家戦略」として推進する体制に改めたい考えだ。
金融庁は2022事務年度(7月―来年6月)の金融行政方針で、重点課題として「新たな成長が国民に還元される金融システムの構築」を掲げた。
経済成長の恩恵が大企業や富裕層などに偏らず、幅広い層に及ぶことを目指す「新しい資本主義」を強く意識したもの。金融庁はその方策として、金融機関による顧客本位の業務運営の徹底や、NISAの本格拡充と並んで、国民の金融リテラシー向上を図る体制作りを挙げた。
金融庁がこれまで税制優遇策の拡充などを通じて、たびたび資産形成を促しても一過性のブームに終わり、「貯蓄から投資」の流れを定着させられなかった背景にも、「欧米などに比べて国民の金融リテラシーが相対的に低いことがある」(企画市場局幹部)と見られている。知識不足のままでは、金融機関から投資商品を紹介されてもリスク判断さえままならないからだ。
結果、日本の家計は2000兆円を超える金融資産を持ちながら、半分以上を金利がほとんど付かない預金で寝かしてきた。
この反省から金融庁は金融行政方針に「国全体として、中立的立場から金融経済教育の機会提供に向けた取り組みを推進するための体制を検討する」と明記。岸田官邸の「新しい資本主義実現会議」と連携し、全世代を通じて金融教育を提供する体制づくりを急ぎたい考えだ。
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