【総務省】NHKのネット事業拡大 有識者会議で是非を議論
財界オンライン / 2022年10月12日 15時0分
総務省は、NHKのインターネット活用業務のあり方について、有識者会議で検討を始める方針を決めた。ネット動画配信サービスの台頭などで放送と通信の融合が進み、放送事業者を取り巻く経営環境は大きく変化している。放送法で、現在は放送の「補完」と位置付けられているネット配信などのサービスを、本来業務と位置づけるかどうかが最大の焦点となる。
議論の趨勢次第では、日本民間放送連盟などが激しく反対しているNHKのネット業務拡大につながる可能性が高い。また、現在はテレビ受信設備を持つ世帯を対象としてきた受信料のあり方にも大きな影響を与えることになりそうだ。
NHKのネット活用業務をめぐっては、放送制度に関する有識者会議がそのあり方を検討するよう要請。自民党の情報通信戦略調査会の小委員会も、本来業務とすべきか検討するよう総務省に提言しており、総務省は月内に「公共放送ワーキンググループ」の初会合を開き、本格的な議論に乗り出す。
寺田稔総務相は議題について、「インターネット時代における公共放送の役割をどう考えるか、またNHKの行うネット活用業務の位置付けなどについて活発に議論をいただきたい」と説明。その上で、「あるべき公共放送の姿について議論が深まることを期待する」と語った。
日本新聞協会や民放連は、受信料を財源とするNHKがネット業務を拡大すると公正な競争がゆがめられると懸念。一貫して反対の立場を貫いている。また、現在はテレビ受信機を設置している世帯から徴収している現行の受信料制度についても、ネット活用がNHKの本来業務に位置づけられれば、全てのネット利用者を徴収対象とするような、新たな「ネット受信料」制度の導入に道を開くことにつながる。
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