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「STEAM人財を獲得せよ!」GMOインターネットグループ・熊谷正寿の「人財戦略」

財界オンライン / 2022年10月21日 7時0分

GMOインターネットグループ 代表取締役グループ代表 熊谷 正寿

新卒でも2年間は年収710万円を保証
 ─ 改めて、1991年の創業から31年が経ったわけですが、今はどんな心境ですか。

 熊谷 インターネット産業に巡り合えたことと、素晴らしい約7200人の仲間たちに出会えたこと、あとは運も含めて、神様に感謝しています。

 人生100年時代と言いますけど、今まではずっと突っ走ってきたんですよね。でも、わたしも人生の後半に入ってきましたので、これからは感謝の念を忘れず、多くのお客様、株主様、パートナーの仲間の皆さんに恩返しできるよう、インターネット産業のより一層の拡大に貢献したいと考えています。

 そういう中で、われわれには圧倒的な技術力があり、『GMOイズム』や『スピリットベンチャー宣言』という当社の経営哲学を信じ、実践するパートナーがいることが、当社の強みになっています。

 ─ この2つの強みを今後も伸ばしていくと。

 熊谷 ええ。そのために一番大事だと思っているのが優秀な人材の獲得と、既存のパートナーの活性化でして、この2点に今、最も力を入れています。

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 ─ 人への投資をどう考えるか。二つのポイントを具体的に説明してもらえますか。

 熊谷 まず新たな優秀な人材の獲得に関しては、「STEAM人財」と言いまして、これはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、美術・文学・哲学・歴史などのリベラルアーツ(教養)を包括したArtsに、Mathematics(数学)を加えた造語なんですね。

 この5つの分野に長けた方々を、最高の年収で採用しようということで、新卒でも2年間は年収710万円を保証しますということで、従来の新卒パートナーの倍以上のパフォーマンスを発揮してほしいと考えているところです。

 ─ これは人事政策でのかなり大胆な取り組みです。相当反響があるんじゃないですか。

 熊谷 はい。ですが、相当ハードルを上げていますのでね。

 例えば、公認会計士や弁護士などの各種資格をお持ちの方であるとか、理系であれば修士や博士などの一定のレベルをお持ちの方に限定しています。毎年何人採用するとか、人数の帳尻合わせのような採用はやめにして、少数精鋭で採用するようにシフトしています。

 もう一つの、既存のパートナーに関しましては、グループ全体に定型業務を自動化するRPA(業務自動化)やロボットを導入するなどして生産性を高めます。また、先ほど申したようなリアルと在宅のハイブリッド型勤務を導入することで未来家賃を削減します。

 こうした施策によって、パートナー一人当たりの生み出す粗利をマックスにして、一定のパーセンテージ以上は報酬にして還元すると。これにより、一人あたりの平均年収を1500万円くらいまでもっていくことを目指しています。

 ─ これはかなりIT業界の中でも高い方ですね。

 熊谷 はい。わたしは当社の平均年収を業界でトップにしたいと思っています。

 こう言うと、何だかお金の話ばかりになってしまうんですが、わたしは人はお金で動くものではないと思っているんですね。やはり、仕事というのは誇りであったり、充実感であったり、そういう精神的な成功と今申し上げたような経済的な成功の両輪が必要だろうと。その両輪で人材の活性化を図ることが大事だろうと考えています。


くまがい・まさとし

1963年7月長野県生まれ。91年ボイスメディア(現・GMOインターネットグループ)設立、代表取締役就任。99年に独立系インターネットベンチャーとして国内初の株式上場。2022年9月に社名を「GMOインターネットグループ」に変更、代表取締役グループ代表 会長兼社長執行役員・CEOをつとめる。

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