円安でニトリHDが減益に 米国市場からは撤退へ
財界オンライン / 2022年10月29日 18時0分
従来の必勝パターンが
通用しにくくなる中で…
「やはり世界で一番競争が激しい。コロナの後遺症も残っているし、早めに撤退した方がいいと考えた」と語るのは、ニトリホールディングス(以下、ニトリHD)会長の似鳥昭雄氏。
ニトリHDが2022年2―8月期の連結業績を発表。売上高4230億円(前年同期比2・1%増)、営業利益690億円(同10・9%減)と、増収減益となった。円安の急速な進行や原油高に起因する輸入コストの上昇などが収益を圧迫。2013年より参入していた米国市場は、2023年中に撤退することを決めた。
これまで、海外で製品をつくり、日本に輸入・販売することが、ニトリの必勝パターンだった。円高下においては効果を発揮するが、足元のような円安局面では、従来の必勝パターンが通用しにくくなっている。
それでも、似鳥氏は「必ず上がったら下がっていくので、やがて必ず円高になっていく。アメリカも不景気になるし、全世界的に不景気になっていく」と指摘。
「今のような状態が何年も続くわけではない。今のうちに筋肉質に変えて、ありとあらゆるコストを下げていく」と語る。
今後は東アジアや東南アジアを成長市場と捉え、台湾・中国・マレーシア・シンガポールに積極出店を続けていく方針。また、国内もグループの島忠や資本業務提携した家電量販大手のエディオンなど、異業種との連携を加速し、新たな需要の掘り起こしを急ぐ考え。
前期(22年2月期)まで35期連続増収増益を達成したニトリHD。市場環境の変化によって従来の必勝パターンが通用しなくなった時こそ、同社の変化対応力が問われてくる。今後は似鳥氏の真価が問われそうだ。
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