【国土交通省】台湾TSMCの誘致で『熊本県菊陽町』が全国1位の地価上昇率
財界オンライン / 2022年11月2日 11時30分
国土交通省が9月20日に発表した22年度の基準地価では、熊本県菊陽町の工業地が前年から31・6%上昇し、全国1位の上昇率となった。
半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の工場進出を受け、関連企業の進出が相次ぐためだ。九州への半導体産業集積による「シリコンアイランド」復活の期待も高まっている。
TSMCは昨年11月、菊陽町への工場建設を発表。今年4月に着工し、24年末の出荷開始を目指している。ソニーグループなども出資し、総投資額は約86億㌦(約1兆2400億円)に上り、従業員数は約1700人を見込む。世界的な半導体不足を背景に、日本政府が経済安全保障の観点から最大4760億円の補助を決めた一大プロジェクトだ。
菊陽町には半導体関連企業のほか、運送や倉庫業の進出が活発化。工業地の地価上昇率は31・6%(21年度は2・4%)に拡大した。さらに従業員や建設作業員向けの住宅や店舗需要が増加。菊陽町の住宅地も7・7%上昇、商業地は13・6%上昇した。国交省担当者は、単一工場がこれだけの地価上昇をもたらした例は「すぐに思いつかない」と語る。
波及効果は菊陽町にとどまらない。
3月には、半導体製造装置大手の東京エレクトロンが、24年秋の完成を目指し、隣の合志市に300億円を投じて新開発施設を建設すると発表。機械大手の荏原製作所も2月、半導体製造装置の増産のため、南関町の拠点への新棟建設を明らかにするなど、県内各地に関連企業の進出や設備増強が広がる。
九州フィナンシャルグループは「生産や投資、雇用、所得から消費に至るまで大きなインパクトがある」(笠原慶久社長)とし、今後10年間の県内での経済波及効果を約4兆3000億円と試算する。
すでに効果は顕在化しつつあり、1980年代半ばに世界を席巻した日本の半導体産業を牽引したかつての九州再現を思い描く向きは多い。
一方、周辺地域では土地取引や人材獲得競争の過熱に加え、渋滞が深刻化するなど課題もあり、行き過ぎた半導体バブルを不安視する声もある。
「デジタルの世界には信号機が無い」東京財団政策研究所主席研究員・柯 隆
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