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【厚生労働省】保険証を24年秋に廃止 「マイナ保険証」に切り換え

財界オンライン / 2022年11月8日 15時0分

政府は現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える方針を決めた。暮らしに不可欠な保険証の機能を持たせることで、取得を事実上義務化し、交付率が約5割にとどまるカードの普及の加速を目指す。 

 見直しを主導した河野太郎デジタル相は記者会見で「マイナ保険証によって利便性が高まり、医療の質が向上する」と指摘。健診結果や処方された薬の情報を参考にしながら、適切な診察を受けることが可能になるなどのメリットを紹介し、「理解してもらえるようしっかり広報する」と訴えた。 

 マイナカードをめぐり、政府は22年度末までにほぼ全ての国民が取得する目標を提示。これまでカードのメリットをPRすることで取得を促してきたが、持たざるを得ない状況をつくり、普及促進と行政のデジタル化を一気に進める方針に転換した。 

 廃止に向けた準備作業は今後、厚労省、総務省、デジタル庁で本格化するが、廃止後もカードを取得しない人への対応や紛失時の救済策、マイナ保険証に対応した機器導入の加速など課題は山積している。厚労省保険局の幹部は「国民に広く関わることなので、きめ細かい対応が求められる」と強調する。 

 政府は廃止に伴う対応策に一定のめどが付いた段階で政府のデジタル化計画などに廃止時期などの日程を明記する方針だ。また、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)で、医療団体や保険者団体、学識経験者の意見を聞きながら制度の詳細を詰め、必要に応じて法改正や政令改正を行うことも目指す。 

 ただ、政府内では「カード交付が進まない限り廃止はできない」(関係者)との声は根強く、「ほぼ全国民に行き渡らせる」とした政府の目標達成は実現に向け至上命題だ。保険証廃止に対する国民の不安や批判が強まっており、カードの普及状況次第では予定通り実施できるか不透明な部分も残る。

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