【経済産業省】中小企業の債務負担軽減へ 新たな「借換制度」を創設
財界オンライン / 2022年11月18日 11時30分
経済産業省は、中小企業が抱える債務負担を軽減するため新たな借換制度を創設する。民間金融機関によるコロナ禍の資金繰り支援としての実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が来春以降本格化することから、借り換えの需要増に対応する。政府の総合経済対策に盛り込まれており、年内に具体策を取りまとめる方針だ。
ゼロゼロ融資は、日本政策金融公庫などの政府系金融機関が2020年3月から開始。利用者の急増を受け、民間金融機関でも同5月から21年3月まで受け付けた。融資総額は22年8月末時点で総額42兆円に上っており、うち民間金融機関分は23兆円。
民間ゼロゼロ融資は、上限額が6千万円で、最初の3年間は都道府県を通じて国が利子を負担する仕組み。保証料も減免されており、返済ができなくなった場合は、同じく国の財源を裏付けとし、信用保証協会が元本の80%か100%を肩代わりする。この民間融資の返済開始時期が23年7月以降に集中することから、企業への救済策として、借換制度を新設する。
中小企業庁金融課によると、23年7月と24年4月には、返済開始を迎える企業がそれぞれ5万社を超える見込み。民間ゼロゼロ融資を利用した企業の6割超は既に返済を始めており、「本当に資金繰りに窮している企業は数%程度と想定している」(幹部)。一方、宿泊業は返済に着手できている企業が約45%と他業種より少なく、返済の先延ばしなど、融資条件の変更を申し出ている率も高いことから、集中的な支援を行うとしている。
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