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【厚生労働省】保育所の実地検査改正 リモート手法に懸念の声

財界オンライン / 2022年11月21日 11時30分

厚生労働省は、自治体による保育所などへの指導監査に関する制度の見直しを再延期した。11月からの実施に向け、リモートや書面で行うことを例外的に認める案を示したが、一般からの意見公募で施設の安全性への影響を懸念する声のほか、静岡県の認定こども園でバスに取り残された3歳女児が死亡する事件を踏まえ、保育の質について改めて検討することにした。

 現行制度は、保育所など児童福祉施設の設備や運営が基準を満たしているかを確かめるため、年1回以上、都道府県などの職員が現地で監査することを児童福祉法施行令で義務付けている。ただ、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、自治体側が非対面での実施も認めるよう求めていた。

 これを受け、厚労省は昨年12月、現地での監査の義務付けを廃止する案を提示。しかし、一般から実地検査の重要性を指摘する意見など、計280件が寄せられ、当初予定していた今年4月からの実施を延期。再検討の結果、現地での監査を原則としつつ、例外規定を設ける案を8月に再提示したが、これにも反対する意見などが相次ぎ、現時点での実施は難しいと判断した。

 再提示した案は、天災や、やむを得ない事情で年度内の実施が困難な場合や、前年度の結果、施設の設置年数などを勘案し、必ずしも必要でないと認められる場合に、リモートや書面で補完的な実施を可能とする内容。「実地検査によって施設の安全が保たれているのではないか」「『前年度の結果』には合理性がないので除外すべきだ」など、計528件の意見が寄せられたという。

 実地検査は義務付けられているものの、全国の保育所での検査実施率は、19年度62・5%、20年度38・7%と、コロナの流行が始まった19年度末以降、大きく落ち込んでいる。担当者は「施設の安全に懸念を持っている人が多くいるので、その部分を含めて考えていきたい」とし、保育の質の確保と実効的な指導監査の両立に向け検討を進める。

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