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【財務省】防衛費増額巡り、官邸と与党、財務・防衛両省が駆け引き

財界オンライン / 2022年12月8日 11時30分

防衛費増額を巡る議論で首相官邸と与党、財務・防衛両省の駆け引きが激しくなっている。

 鈴木俊一財務相は11月22日、政府の有識者会議が防衛力強化のあり方に関する提言をまとめた後の浜田靖一防衛相との会談で「防衛力の抜本的強化を前提に、必要となる国民負担はできるだけ小さくなることが望ましいと(浜田氏に)伝えた」と記者団に明らかにした。

 今後の焦点は防衛費の大幅増と財源確保の両立で、今後の日本の安全保障戦略に大きな影響を与えるのは必至だが、賛否が渦巻く議論で財政を司る鈴木氏の存在感は薄いままだ。

 これに先立つ18日の閣議後会見で鈴木氏は、「防衛費は恒常的に必要な経費であるのを踏まえ、歳出歳入の両面から検討を進め、必要な安定財源の確保が重要だと思う」と説明した。

 政府内では財源確保に向けて法人税や所得税の増税案が浮上しているが、与党内では「財務省は経済を腰折れさせる気か」(自民参院幹部)と反発が強まっている。

 岸田文雄政権の支持率下落が続き「増税を訴える環境にない」(閣僚経験者)のは衆目の一致するところだが、複数の自民防衛族などは「財務省は歳出改革を連呼するなら、増税を言う前に、社会保障関係費の精査や特別会計の点検など国の財政全体を見直すきだ」と財務省への怒りをぶちまける。

 もともと永田町・霞が関では「岸田官邸は財務省の出先機関」(政府関係者)と揶揄されてきた。防衛費増額の議論で強まる財務省への批判は、議論の展開次第では首相批判に直結し、政権運営をさらに揺るがす可能性がある。もっとも、財務省幹部は「政権が倒れようとわれわれには関係ない」(主計局)とすでに冷ややかだ。

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