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【経済産業省】巨大IT名指しで改善指摘 取引透明化法で初の評価案

財界オンライン / 2022年12月8日 18時0分

経済産業省は、巨大IT企業に取引条件の開示などを義務付ける「デジタルプラットフォーム取引透明化法」に基づき、オンラインモールやアプリストアを運営する巨大ITに対する初の経産相評価案を公表した。米アップルやアマゾンジャパンなどを名指ししており、2021年に施行された同法による初めての具体的な改善点の指摘がなされた形。担当者からは安堵の声も漏れる。ただ、実際の是正が行われるのはこれからだ。

 今回の評価の対象となったのは他に、米グーグル、ヤフー、楽天グループ。規制対象として指定された各社は毎年5月末までに自社の取り組みをまとめた報告書を提出し、経産相がレビューを実施。改善点を指摘して巨大ITの取引を健全化する仕組みで、行政と企業が協力して改善につなげる「共同規制」という手法をとっている。

 評価案はパブリックコメントを実施した後に正式決定する。今年10月からはデジタル広告分野の規制も始まっており、グーグル、ヤフーと米メタ(旧フェイスブック)が対象となっている。

 評価案では、アップルによるアプリ価格値上げの通知が、実施の15日前だった事例を挙げ、各社に十分な準備期間を設けて変更内容や理由を分かりやすく説明するよう求めた。また、アマゾンについては事業者のアカウントを停止する際には、異議申し立てができる程度に判断理由を開示することなどを求めた。

 同法を所管する経産省の担当者からは「ようやく出せましたよ」と、初の評価案公表に安堵する声が聞かれる。ただ、同法による改善は基本的に事業者の自主的な改善を旨とする。経産省は今回、一部の巨大ITについて名指しで改善点を指摘する対応に出たが、アプリ事業者らにとって実質的に効果のある是正が行われるかはこれからの話だ。経産省には今後、是正の効果を継続的かつ丁寧にチェックしていく役割が求められる。

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