【財務省】防衛費総額は5年で43兆円 財源確保へ、増税不可避?
財界オンライン / 2022年12月23日 11時30分
財政当局にとって、最大の焦点だった今後5年間の防衛費の総額について、12月5日、岸田文雄首相は鈴木俊一財務相と浜田靖一防衛相を首相官邸に呼び、2023年度から5年間で計43兆円を確保するよう指示した。43兆円は現行の約1・5倍の規模となる。
鈴木氏は会見で「(防衛力の)抜本的強化を進めるため、歳出改革や剰余金や税外収入の活用、税制措置など歳出歳入両面の具体的措置について年末に一体的に決定すべく調整を進める」と述べた。財源の確保に関し「いろいろ工夫して集めなければならない。27年度以降は安定的に確保する。そういうイメージを持っている」とも語り、将来の増税に含みを残した。
9月に発足した有識者会議は「ほぼ財務省ご用達のメンバー」(政府関係者)で固められ、当初から「国民の幅広い負担」という表現ながら、法人税や所得税などの増税を前提としたトーンを打ち出した。長年、経済政策を巡り財務省と対立してきた安倍晋三元首相が死去し、岸田首相や茂木敏充自民幹事長は財務省と気脈を通じてきたため、有識者会議の報告書は「国債反対、増税やむなし」のトーンが強まったとみられている。
ところが、自民の萩生田光一政調会長ら、自民最大派閥の安倍派を中心に増税への反発が広がった。さらに、もともと財務省に近い公明党が来春の統一地方選を念頭に「物価高の中でわれわれが増税を主導していると受け取られかねない」と警戒を強めた。23年度からの増税を射程圏内に入れていた財務省の外堀は一気に埋められた形だ。
【政界】「聞く力」だけでなく「日本をこうする!」という政策や情報発信が求められる岸田首相
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