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【激動の2023年】オリックス・宮内義彦氏の直言「生涯学び続けなければ生きていけない時代に」

財界オンライン / 2023年1月27日 18時0分

宮内義彦・オリックス シニア・チェアマン

─ 環境変化の中で事業を進化させてきたオリックス シニア・チェアマンの宮内義彦さん、コロナ禍、ウクライナ戦争を踏まえて、23年の世界をどう見ますか。 

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 宮内 コロナ禍は継続し、ウクライナ戦争でインフレが厳しくなり、グローバリゼーションは分断の方向に向かっています。さらには米国が金利を引き上げたことで経済が混沌としました。 

 ただ、23年を見ると春先までは不安要素が残るものの、そこからは落ち着いてくるのではないかと見ています。足元で需給ギャップが埋まってきていますし、米国の利上げも天井を打つ可能性があります。 

 ─ 中国は「ゼロコロナ政策」に対して国民から反発が出るなど難しい状況です。 

 宮内 確かに、中国はゼロコロナで免疫がない人が多い一方、中国を除く世界の人々の多くが免疫を持っていることが気にかかります。ゼロコロナに関しては、これまでのような極端な政策を変えていくのではないでしょうか。中国政府は民の声には敏感に動くはずです。 

 ─ 日本は「失われた30年」が続いている状況ですが。 

 宮内 12年からの「アベノミクス」で掲げられた金融緩和、財政出動、構造改革というポリシーミックスは正しかったと思いますが、金融緩和だけだったというのが実態です。 

 財政出動も小さく、最も大事な構造改革はあまりできていません。しかも、足元では円安で、われわれの持っているものの値打ちが下がっています。 

「円安を利用して」という人もいますが、円安自体は決して喜ぶべきことではありません。海外から観光客が来ると言われますが、安い観光ではなく、スイスのように価格が高くても素晴らしい国だという形にしなければなりません。国力が低下しているわけですが、それに対する政策は打たれていないように思います。 

 ─ 今、産業界で「リカレント教育」が叫ばれますが、雇用の流動化との関係をどう考えますか。 

 宮内 日本は「縦型社会」で横に動きにくい。それをリカレントで横にも移れる力をつけてもらう。その結果、社会の変化を先取りした職場や人材が増えてゆく。これからの社会は生涯学び続けなければ生きていけないという覚悟が求められます。 

 ─ これからの日本企業のガバナンスへの考え方は? 

 宮内 社外取締役がしっかりしないとガバナンスは効きません。たとえ一生懸命やっている経営者も客観的に見て、業績が上がっていなければ「間違っているのではないか」と意見を言う。そして、それでも改善しなければ経営者を交代させ、新しい人を選ぶ。これが重要な役割だということです。

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