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三菱総合研究所・小宮山宏理事長が語る2023年 「DXや地方創生 ガバナンスなどの改革を急げ!」

財界オンライン / 2023年1月22日 18時0分

小宮山宏 三菱総合研究所理事長

─ 日本の良さを掘り起こすためにもビジョンが必要な時ですね。三菱総合研究所理事長の小宮山宏さん、脱炭素化の機運が高まっていますが、プラチナ社会の実現に追い風ですね。 

 小宮山 ええ。プラチナ構想ネットワークの活動も、すでに参画企業は130社、自治体も200を超えました。 

 健康や人材、観光など、いろいろな分野で活動をしている中で、この11月から「プラチナ森林産業イニシアティブ」を立ち上げました。 

 私は森林が日本の大事な資源になると考えています。今まで森林活用というと紙をつくるとか、木材にするとか、エネルギーにするという発想しか無かったんですが、今は住友化学などの化学会社が入ってきてバイオマス化学の開発を進めたりして、川上から川下まで主要企業に参画していただきました。 

 それこそ経団連の主力企業には国際的にも頑張ってもらわないと、GDP(国内総生産)の3倍近い借金を返せませんから、私は非常に期待しています。 

 ─ 企業の環境意識も実践のステージに入ってきたと。 

 小宮山 日本はこれまで、東京から大阪までのエリアを加工貿易のベースでやってきました。極端に言ったら、このライン以外は、インフラも何も整備されていません。だから、今こそまさにチャンスで、コロナやウクライナ危機はひどい話ですが、このコロナや戦争によって、これまで世界中ですさまじいスピードで変化してきた速さがダウンすると思うんです。 

 ですから、この間に日本が遅れているDX(デジタルトランスフォーメーション)や地方創生、ガバナンスなどの改革に取り組むべきだと思います。 

 日本は長く60歳以上の男性ばかりで意思決定をしてきました。これはダイバーシティ(多様性)の時代にまずいですよ。半分は女性を入れる、それから若い人を早く登用していかないと成長できないと思います。 

 ─ 日本は無資源国だとばかり教え込まれてきたんですが、小宮山さんの持論でもある自給国家になるための条件は? 

 小宮山 これからエネルギーは海外から輸入していた化石燃料が再生可能エネルギーに代わります。 

 鉱物資源もすでに国内でこれだけ自動車やビルが飽和しているわけですから、飽和した都市鉱山というのは、新しいものをつくるのに十分です。そして、先ほどのように石油でつくっているプラスチックをバイオマスからつくることができれば日本は完全な自給国家ですよ。 

 残るは食糧です。飼料用のトウモロコシなんて安いですからね。ここは国策でできると思います。日本には休耕田が沢山ありますし、AI(人工知能)を活用して生産管理をしていけばできます。あとは法律や規制があるので、この辺の規制は国が変えていくべきだと思います。

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