【2023新春インタビュー】齊藤猛・ENEOSホールディングス社長を直撃!
財界オンライン / 2023年1月4日 11時30分
再エネなど成長事業に 一大投資を実行
─ ENEOSホールディングス社長の齊藤猛さん、ロシアによるウクライナ侵攻もあってエネルギー価格の高騰が続いていますが、2023年をどう見通していますか。
齊藤 主に原油価格の見通しになりますが、マーケットに影響を及ぼす材料は、第1に各国の利上げ等を受けた世界経済見通し、第2に中国の石油需要、第3にOPEC(石油輸出国機構)プラスの対応、第4にロシアの石油供給の動向です。それぞれ強い要因、弱い要因があり、23年はそれぞれの状況を注視すべきだと考えています。
─ 基本的には上昇の方向で見ていますか。
齊藤 上方圧力の方が強く、短期的にはニューヨーク原油で1バーレル=70ドルから100ドルの間という荒い動きが予想されています。
原油供給については、新しい鉱区での開発投資がなかなか進んでいません。開発が可能なのは中東やロシアですが、私自身、今年秋にはUAE(アラブ首長国連邦)のアブダビを訪れ、ADNOC社(アブダビ国営石油会社)を訪ねて原油の安定供給について話をしてきました。今後、さらに中東各国との関係を深めたいと考えています。
─ 21年にジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)を2000億円で買収しましたが、今後の再生可能エネルギーへの取り組みは?
齊藤 当社は22年5月に2050年のカーボンニュートラルに向けた計画を発表しましたが、この買収は、その実現に向けた1つの事業になります。
第2次中期経営計画では、水素や再エネを始めとする成長事業への戦略投資を行ってきました。3カ年の設備投資計画である1兆6000億円のうち、9600億円を戦略投資としており、そのうちの2000億円をJREの買収に充てました。
JREは国内有数の再エネ事業者ということで期待をしています。今後はJREが培ってきた知見、事業開発能力を結集し、日本を代表する再エネ事業者を目指したいと考えています。
再エネに関しては、短期的には太陽光と陸上風力、中長期的には洋上風力が中心になる可能性が大きいと見込んでいます。
─ 国を支えるエネルギー産業として、今後ますます役割が重くなりますね。
齊藤 エネルギー企業の矜持は、人の生活、生命を支える存在だということです。私自身、入社以来、その仕事に携わってきていることに誇りを感じています。
脱炭素に伴うエネルギートランジション(移行期)、エネルギー安全保障、経済合理性というトリレンマ(三すくみ)を解決することが、我々に課された課題だと思っています。
【著者に聞く】『エネルギーの地政学』 日本エネルギー経済研究所 専務理事・小山 堅
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