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大和ハウス・芳井敬一社長の新年の思い「2055年の10兆円に向け『人』を育てていく」

財界オンライン / 2023年1月18日 15時0分

芳井敬一・大和ハウス工業社長兼CEO

─ 大和ハウス工業社長兼CEOの芳井敬一さん、ウクライナ戦争、円安もあって、あらゆるものの価格が上昇しています。今後をどう見通していますか。 

【あわせて読みたい】大和ハウス工業・芳井敬一社長の決意『常に成長を求める。事業を通じて人を育てていく』

 芳井 資材価格の高騰などを受けて、値上げをする場合でも、お客様に対して現状をしっかり説明していく必要があると思っています。 

 そして、この状況は一過性ではなく長びくと見ています。「いつか元に戻る」というマインドではなく、「失われた30年」で低成長が続き、様々なモノの価格も上がってきませんでした。新たな価格体系が必要になってきているのだと思います。 

 一方で、賃金が上がっておらず、可処分所得は増えていません。政府も物価高に対して緊急対策を打っていますが、そうしたサポートも重要になります。 

 ─ 今期の業績は堅調でしたが、来期はかなり緊張感が要求されますね。 

 芳井 ええ。事業ポートフォリオのどの部分を生かしていくかが大事になります。おそらく、23年4月には、ほぼ先が見通せてくるだろうと見ています。 

 あとは為替です。今期、当社は円安の影響を受けて、売上高で1000億円、営業利益で70億円上振れる見込みです。 

 ─ 海外事業への影響をどう見ていますか。 

 芳井 米国のスタンレー・マーチン社などは予定通りですが、米国の金利が7%台を超え、成長の重しになっています。 

 米国経済は「コントロール経済」という感じがしています。経済がヒートアップしていることで、FRBなどは一生懸命に〝氷水〟をかけているような形です。景気減速にまでは至っていないと思いますから、いずれ元に戻ってくるだろうと見ています。 

 ─ 国内では物流施設は引き続き好調ですね。 

 芳井 当社では未着手の未稼働残が1600億円あります。土地の取得が遅れていますが、私はまだまだ行けると思っています。 

 例えば、東京都西部でデータセンターを開発しますが、この土地は元々、物流施設を開発するべく取得したものです。それを調べてみたら、データセンター用地としても活用できることがわかり、一部着工しました。調査次第で物流、データセンターいずれでも活用できるとなると、さらに用地取得を加速させられると考えています。 

 ─ 創業100周年の2055年に売上高10兆円を掲げていますが、この道筋は? 

 芳井 私の役割は10兆円に届くメンバーを揃えることです。そして常に成長を求め、事業を通して「人」を育てていきます。新しい事業を生み出すために考え抜くことが大事になります。

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