第一生命HD社長に菊田徹也氏 「海外事業、デジタルに注力する」
財界オンライン / 2023年1月18日 19時0分
第一生命社長には企画部門長い隅野俊亮氏
「グローバルな保険グループとして、全てのステークホルダーに支持される存在に」─こう話すのは、第一生命ホールディングス次期社長の菊田徹也氏。
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2022年12月16日、第一生命HDは社長交代を発表した。社長には専務執行役員の菊田氏が昇格する。また、保険事業会社の第一生命保険社長には、第一生命HD常務執行役員の隅野俊亮氏が昇格。両社の社長を兼務する稲垣精二氏は両社の会長に就任。会長の渡邉光一郎氏は23年6月の株主総会後に取締役を退任する。
第一生命HDでは1年前から、委員の過半を社外が占める指名諮問委員会で次期トップについて検討を進めてきた。その条件は「既存の延長にない成長を実現するための推進力」(稲垣氏)。
菊田氏は運用企画部長として資産運用、投資本部長としてベンチャー含め日本企業、グローバル企業について投資目線での知見が深い。さらには、第一生命の海外展開の第一歩だった07年のベトナム進出時代から携わっており、「グローバル化に誰より強い信念を持っている」(稲垣氏)と評される。
菊田氏自身は海外事業強化について「進化と探索」というキーワードを示す。既存事業を成長させると同時に、M&A(企業の合併・買収)も活用しながら、成長することを目指す。また、「デジタルなど周辺領域にも取り組む」(菊田氏)
特にM&Aは、14年に約5800億円で買収した米プロテクティブを通じた実行も進める。プロテクティブは米国での「成長プラットフォーム」という位置づけで、すでに同社を通じたM&Aも複数実行されている。
また、稲垣氏が持ち株会社と保険事業会社社長を兼務していたものを分離することについては「事業のウイングが拡大している」(稲垣氏)ことを挙げる。
第一生命社長に就く隅野氏は経営企画部長などを務め、第一生命の株式会社化の実務を担当するなど、稲垣氏を支えてきた。
ただ、生命保険会社を取り巻く環境は厳しい。コロナによる給付金の増大や、米金利上昇による外債運用コスト増大などで、第一生命HDを含む各社は23年3月期の業績見通しを下方修正している。厳しい環境下でのカジ取りである。
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