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【株価はどう動く?】2023年初めに日米の株価は底入れ、新たな上昇相場が始まる?

財界オンライン / 2023年1月19日 20時0分

日銀のサプライズは「デフレ終了宣言」か
 2022年末にはサプライズがありました。12月20日の日本銀行の金融政策決定会合で、長期金利の変動幅を従来の「プラスマイナス0.25%程度」から、「プラスマイナス0.5%程度」に広げたのです。

【株価はどう動く?】米国の金融引き締めは継続か?日本は円安の恩恵を受ける銘柄に注目

 株価に限らず、マーケットでは予想していなかった情報が出ると上に下に動きます。しかも、この政策が「金融引き締め」と受け止められましたから、当日は株価の大幅下落、円の急騰という状況になりました。

 この変動幅拡大をどう見るか。株式市場にとってマイナスと受け止められるのは「金融緩和の時代が終わった」と受け止められるからです。FRB(米連邦準備制度理事会)に続いて日銀も徐々に引き締め、利上げに動いていくのではないかという思惑につながっていきます。

 しかし、日銀の黒田東彦総裁は会見で「利上げではない。金融緩和を継続する」と説明しました。これまで国内では日銀の金融緩和が円安、物価上昇を招いていると批判されていましたから、それに応えた形です。

 黒田氏は23年4月の退任を前に「宿題」を残さないことを選択したわけです。かなり政治的な判断だったと思います。

 このサプライズで下げた株価、急騰した円という状況は、傾向として続くのか、あるいは一時的なショックで終わるのかが、今後マーケットを見る上での判断の分かれ目となります。

 私は、黒田氏は任期中、金融緩和を続けると見ています。12月20日のサプライズは、円安、物価高で一般国民が苦しむ状況に一撃を加えた形となりました。当分は株価にも円ドル相場にも、その余波が続き、一進一退の動きとなると見ています。

 ただ、大きな流れでは、日本にもインフレの波が押し寄せてきます。1990年のバブル崩壊以来、30年以上にわたるデフレ経済が今、終わろうとしています。

 そういう角度から見ると、アベノミクスが始まって以来、日本でもデフレマインドが少しずつ払拭されつつありました。12月20日の0.5%の金利変動幅拡大は、後で振り返ると日銀による「デフレ終了宣言」になるのではないかと思います。

 1956年7月、政府は経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言しましたが、今回は「もはやデフレではない」という宣言となります。

 日本はバブル崩壊以降、デフレ不況で苦しんできましたが、23年以降、日本は適度なインフレ経済に向かうことになります。0%台から2~3%のインフレなら歓迎すべきことです。

 円ドル相場も、22年10月の150円台がピークとなり、金融緩和の終わりを受けて125円~135円という水準で推移していくのではないかと見ます。

 歴史的視点で見ると、150円台までの円の下落は、日本経済がデフレを脱却する前触れだったと言えます。円安サイクルの歴史的第一波が終わったということです。本格的なインフレに向かうと、円安の第二波がやってくることになります。

 まだ日本国民は本当にインフレに向かうとは信じていませんが、23年に入ればインフレの兆候が様々なところで出てくると予想します。近い将来、株や不動産の価格が上昇する「資産インフレ」になっていくでしょう。

 23年以降、インフレ色が強まれば、為替相場は135円~145円という次のゾーンに入っていくのではないでしょうか。

 米国株はすでに21年11月にナスダックが天井を付けて、しばらくは高値波乱が続き、底入れするまではアップダウンが続くでしょう。ナスダックは21年11月、ニューヨークダウは22年1月に天井を付けていますが、日柄、時間の波動では12~13カ月で当面の底入れをします。

 ナスダックは23年1月頃、ニューヨークダウは23年2~3月に底入れすると見ます。底入れをすれば、どちらも下げ過ぎの反動高で上昇してきます。

 ましてや「前門の虎」であるインフレ退治に目処がつきそうな状況で、各指標も和らいできています。23年に入ってからは「後門の狼」、景気後退を心配する必要が出てきます。

 日経平均も22年末から23年初が調整局面の終わりとなり、早ければ23年初めから、遅くとも第2四半期の4~5月頃から、上昇相場が始まります。その牽引役は、23年3月期決算の大企業の好業績です。この好業績のまま、25年の大阪万博を迎えられるのではないでしょうか。

 以前から紹介していますが、前三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長の嶋中雄二さんは23年から25年の日本には「ゴールデンサイクル」が訪れるとしています。

 日本の政治・経済の今後を展望したいと思います。アベノミクスで金融緩和を実行しましたが、積極財政は十分ではありませんでした。さらに構造改革もほぼできていません。3本の矢のうちの1本目だけで、日経平均は8000台から3万円台まで上昇したのです。

 株価にとってプラス材料なのは、43兆円に及ぶ防衛予算が組まれて、これに対する財政出動が確保されていることです。これは景気にプラスです。加えて、前述のように円安効果もあり、23年3月期の企業決算がよければ、日本の大企業の設備投資も出てきます。

 ですから次の3年は、日本経済にとって久しぶりの黄金期となる可能性があります。日経平均も上昇し、1989年末の高値に接近、もしくは奪回する可能性も出てきています。

 一方、マイナス材料は増税です。防衛予算の財源確保のために所得税、法人税、たばこ税などを引き上げることを決めていますが、23年以降、景気が悪化したら、決して増税はできません。実際に増税を始められるのは、早くて3年後くらいではないでしょうか。

 先に景気をよくして、その後に増税であれば、ある程度は消化できます。先に増税をしたら、景気が悪化するのは目に見えています。そうなったら、自民党は統一地方選などの選挙で確実に負けることになり、岸田政権は予想外に短命に終わるかもしれません。

 最後に、政界と株式相場は「一寸先は闇」です。

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