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【社員同士を〝つなぐ〟システム開発】ハブスポット・ジャパン・廣田達樹代表が語る「顧客と向き合うために」

財界オンライン / 2023年2月21日 18時0分

廣田達樹・ハブスポット・ジャパン代表

顧客とどう向き合うか─。これは企業にとって永遠の課題であり、コロナ禍で人と人の結びつきが希薄になったことで重要性が高まっていると思います。

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 確かにコロナ禍でデジタル化は進みました。しかし、自社の顧客がどんな行動をしたのかといった販売にも結び付く重要な要素を社内で共有できるかというと限界があると感じている方も多いのではないでしょうか。

 実はデジタル化が進んだといっても、日本企業の多くは「顧客関係管理」という領域では依然としてアナログです。エクセルによる表管理や部署ごとに異なった運用など、作業も煩雑になっているケースが多いのが実情です。例えば旅館の女将さんが、お客様の情報を台帳に手書きで記入するというような手作業も残り続けています。

 もしこの女将さんが記入した台帳を旅館の従業員全員が共有できたらどうでしょうか。おもてなしやホスピタリティに長けた女将さんから見たお客様の性格や特性、ちょっとした気づきが従業員たちにも共有されれば、先を読んだ次の行動やお客様の困り事を解決できる行動がとれます。結果、そのお客様の期待を上回るパフォーマンスを発揮できます。これをデジタル領域で展開しているのが当社です。

 ハブスポットは2006年にマーケティング・ソフトウェアとして事業をスタートした後、17年にわたって成長。現在はマーケティング領域のみならず、セールス、カスタマーサービス、オペレーションと幅広い領域をカバーする「CRMプラットフォーム」に進化を遂げています。このCRMプラットフォームこそが先ほど申し上げた女将さんの台帳に当たるわけです。

 私自身も様々な企業で、マーケティング部門と営業部門といった異なる部門間の連携が非常に大切だと実感してきました。各部門がお客様から吸い上げた情報を自分だけでなく、部署の垣根をまたいで共有することによってお客様の抱える課題を解決できることにつながります。

 特に当社のサービスはCRMを含む6つのプロダクトから構成され、それらが全てつながっています。企業と顧客の接点はマーケティングにとどまらず、営業、カスタマーサクセスなど多岐にわたります。企業との出会いから購買、購買以降のアフターサービスを含め、一気通貫した顧客体験を提供することが重要であると考えたからです。

 こうした考えから14年よりCRMのプロダクト群へと進化し、現在はCRMプラットフォームとして他のアプリケーションとの連携も推進。しかもユーザーインターフェースも至ってシンプル。そもそも成り立ちがマーケティングからの出発でしたので元々使い勝手の良さを追求する文化があったのです。

 また、弊社では「フライホイール」というお客様を成長の原動力と考える円環型のプロセスを掲げ、マーケティング、営業、カスタマーサービスのお客様に直接かかわりを持つ3部門を「フライホイールチーム」と呼んでいます。このフライホイールを回す上で重要なのが「インバウンド」の思想です。

 つまり、相手から価値を受け取る前にこちらから価値を提供するという考え方です。相手に価値を提供するためには、相手の立場に立ち、相手のことを理解しなければなりません。これはビジネスの肝でしょう。

 デジタル化社会となり、企業よりもお客様が情報を持つことができる時代となりました。そんなお客様の期待を超える商品やサービスを提供するためにも、社員を〝つなぐ〟仕組みが重要になるのです。

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