【経済産業省】「GX実行会議」で原発の最大限活用方針を最終決定
財界オンライン / 2023年2月2日 15時0分
政府は昨年12月、「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議(議長・岸田文雄首相)」を開き、原発を最大限活用する方針を最終決定した。原発の運転期間延長や建て替え推進が柱。今月下旬の通常国会に関連法案を提出し、議論を本格化させる。原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定に関する閣僚会議も始動させ、政策の進展を図る。
運転期間は「原則40年、最長60年」という現行ルールを基本としつつ、安全審査などによる停止期間を算入しないことで、事実上の「60年超」運転を可能にする。次世代型原発については、廃止決定した炉の建て替えを対象に具体化を進める。
経済産業省所管の電気事業法を改正する見通し。ただ、東京電力福島第1原発事故後の原発政策の転換が、昨年8月の首相指示から4カ月で決められたことに「拙速」との批判が出ており、国会での議論紛糾も予想される。
国会審議を控え、政府は1月22日まで意見公募を実施。その後、集まった意見の概要とそれに対する政府の考え方を公表する。西村康稔経産相は「寄せられる意見をしっかりと受け止めながら検討していきたい」と話す。
政府はまた、核のごみの行き場のない「トイレなきマンション」状態の解消を目指し、昨年12月、処分地選定に関する閣僚会議を開催した。
処分地選定を巡っては現在、北海道の寿都町と神恵内村で選定の第1段階に当たる「文献調査」が行われている。調査が開始されて2年が経つが、地元の安全性などへの懸念は根強く、第2段階の「概要調査」に進む見通しは立っていない。
政府は概要調査に進むためにも、2町村以外での調査を実施したい考え。閣僚会議には、文部科学や国土交通、総務などの関係省庁が参加。市町村のほか、地元の商工団体への対話活動強化を強化するといった方針を確認した。今春の統一地方選の結果によっては、地元からの要請を受けて文献調査の受け入れを表明する市町村が出る可能性もありそうだ。
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