【厚生労働省】適切な飲酒へ初のガイドライン 「休肝日」の扱いが論点に
財界オンライン / 2023年2月3日 15時0分
厚生労働省は、年齢や体質、性別に応じ、ビールや日本酒、ワインなどの種類別の適切な飲酒量を示す「飲酒ガイドライン」の作成を進めている。
国としてこうしたガイドラインを作ることは初めてで、案をもとにパブリックコメントを実施した上で、3月に公表する予定だ。冊子にして配布したり、ホームページ上に掲載したりすることを想定。広く国民に周知したい考え。
もちろん厚労省はこれまでも、適切な飲酒を呼び掛けるポスターで啓発に取り組んできたが、ガイドラインの特徴は、これまでの研究や調査といった科学的根拠に基づく内容にすることだという。厚労省の担当者は、「一人ひとりに応じた適切な飲酒量を、説得力を持って示すことで、国民の行動変容につなげたい」と説明している。
具体的には、高齢者や若年者、男性や女性、アルコールの分解酵素の個人差といった条件に応じ、1日当たりや1週間当たりの適切な飲酒量を明示。さらに、適切な量を超えて飲酒するとどのような健康上のリスクが生じるのかといった情報も紹介する。
作成を担う有識者会議は、医療分野の教授や研究者といった専門家で構成。この会議で論点の一つとなっているのが、「休肝日」という言葉の取り扱いだ。厚労省によると、休肝日を設けることの効果について、実は十分な科学的根拠がないのだという。ただ、会議の専門家からは、国民に定着した言葉だとして、ガイドラインでも休肝日の設定を盛り込むことにおおむね肯定的な様子だ。
厚労省の19年度の調査によると、飲酒している国民のうち、生活習慣病のリスクを高める程度にまで飲酒している人の割合は、男性が14.9%、女性で9・1%。基本計画では、この割合を男性13%、女性6・4%にそれぞれ引き下げることなどを重点目標として挙げている。
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