【株価はどう動く?】 2023年は「脱デフレ」の年、日本株は年央高となるか?
財界オンライン / 2023年2月13日 8時0分
物価目標2%が目前に迫る中
現在の株式市場の様子を一言で表現すると「いよいよ戦機満つる時」です。つまり、株価が上がりそうなタイミングになってきたということです。
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なぜなら、以前から指摘しているように、2023年が日本の株式市場、内外の政治経済、国際情勢の転換点になる可能性があるからです。パラダイムシフトの始まりが顕著になってくるというのが大局観です。
23年の第1四半期までには日本株がいよいよ底入れして、上昇する動きが出てくると見ています。これはあくまで相場の波動から見た現状分析と予想になります。
波動で株価が上昇しそうな状況になってきたということは、日本の株式市場、政治経済にとって、いい情報が出てくる可能性があるということです。
1つは、前回も指摘しましたが、日本の大企業の23年3月期決算では多くが業績改善、もしくは好調だと見ています。この業績好調を織り込む相場が、第2四半期以降に出てきます。
好決算の理由は、1つは円安です。多くの企業が1ドル=110円~120円という水準を想定していたところが、足元では130円台という状況で、製造業や輸出産業にとってはプラスの影響になります。
その代表格が、以前から指摘してきたように海運と鉄鋼業です。日本製鉄(5401 東証PRM)や日本郵船(9101 東証PRM)の株価はジリジリ上昇してきました。
この円安効果は、日本社会の隅々にまでプラスの影響をもたらすと見ています。特にデフレマインドを払拭することになります。脱デフレ、つまりインフレ目標2%の達成が見えてきます。
しかも、日本銀行の黒田東彦総裁は、一時的に消費者物価指数が2%を超えたとしても、それが継続するかどうかを見極めてからでないと金融緩和政策を変更しないとしています。
さらに、円安によってインバウンド(訪日外国人観光客)が復活してきており、これは国内の消費にとってプラスです。
以上のことから、23年は日・米・欧の先進国の中では、日本の景気が最もよくなり、株価が上昇することが予想されます。
世界の株式市場を見ると、欧米のインフレを受けた利上げが継続していますから、年前半は調整が続きますが、後半にかけて上昇することが見込まれます。なぜなら、米国の利上げが終わり、再び金融緩和に転じることが予想されるからです。
今年の日本の株価に関しては、年央高になると見ています。5月の広島サミットの近辺で、今年の高値を付けることもあり得ますし、遅くとも夏場までには高値を付けるでしょう。
セグメントとしては、今年前半は前述のような海運や鉄鋼が注目されます。ロシアのウクライナ侵攻関連、インフレ関連、3月期決算関連、高配当関連と様々な要素を持つ銘柄です。
この間、ハイテク・成長株は底値形成となりますが、年後半にはこうした銘柄も上昇が見込まれます。
23年からの3年間は、前三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長の嶋中雄二さんが「ゴールデンサイクル」と予想したタイミングでもあります。そして24年末には、日本株は新高値を更新し、4万円の大台を付けるのではないかと予想しています。
「新冷戦構造」下での日本の立ち位置
さらにマクロ的な視点から見ると、日・米・欧対ロシア・中国・北朝鮮という新たな冷戦構造の中で、いつウクライナ以外の地域で軍事紛争が起きてもおかしくありません。
最も危険視されるのは台湾、北東アジアですが、次にイランとイスラエルの対立です。この新冷戦構造の中では、西側諸国の中で日本が最も重要な位置にあります。なぜなら、ロシア、中国、北朝鮮と地理的に対峙しているからです。
ですから、米国はもちろんのこと、欧州の主要国からしても、日本を強くすることがメリットにつながります。日本が政治的、経済的、軍事的に強化されることで、ロシア、中国、北朝鮮との関係で優位に立てるからです。
このことは、株式市場のみならず、世界から日本に投資が入ってくることにつながります。前回のテーマですが、いよいよ「バイ・ジャパン」(日本買い)が本格化するということです。
23年4月には日銀総裁が交代します。新総裁の下で今後、イールドカーブコントロール(長短金利操作)やマイナス金利といった政策を見直すことになれば、日本でも金利が上がってきます。
新総裁就任後程なく、そうした政策決定がなされるものと思いますが、その時には一時的に株安につながります。しかし、よく考えてみると、これは日本経済の正常化につながる道です。
金融政策の変更は、金利上昇によって一時的に緩和から引き締めに見えますから株価下落になりますが、投資家の皆さんにとっては、そこが絶好の買い場となる可能性があります。
大きな流れとしては、日本経済は30年以上続いたデフレを脱却する方向です。マイナス金利、ゼロ金利の時代が終わり、正常化に向かうことになります。株価はそれを歓迎して上昇するでしょう。
もう一つ、国際情勢で言えば、今後春先にかけて、ロシアがウクライナに大攻勢をかける可能性があると指摘されています。そのリスクを欧米は察知して、ウクライナに対する軍事支援を強化しているのでしょう。
世界的な地政学リスク、軍事的緊張感は夏場にかけて一層高まることになるでしょう。ロシア、ウクライナが激戦となれば、日本の岸田政権にも緊張感が出て防衛力の強化が急務となります。
これは、景気や株価にとってプラスとなります。もし、前回指摘したように広島サミット後に解散総選挙があるようであれば、こちらも株高材料です。どちらにしても、世界と日本の激動の時代の始まりです。
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