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関西経済活性化のポイントは何ですか? 答える人 関西経済同友会代表幹事・生駒 京子

財界オンライン / 2023年3月1日 18時0分

生駒京子・関西経済同友会代表幹事

万博をビッグチャンスだと捉えていってほしい

 ─ まずは関西経済の現状をどう認識していますか。

 生駒 やはり、コロナやロシアによるウクライナ侵攻など、失われた30年と言われる中にもコロナ禍で〝失われた3年〟があるわけですね。そうした中でも、関西は有難いことに「うめきた2期」の再開発や万博、そして、ワールドマスターズゲームズやIRなど、実現させなければならないことが相次いでいます。わたしはこれを〝ドリーム〟と呼んでいるんですが、関西経済界は目標ができるとお祭りと一緒で必ず頑張っていくので、目の前に目標があることは非常に良いことだと思います。

 問題はこれらドリームが終わった後で、どのような形で良いレガシー(遺産)として残していくかが大事だと思います。

 ─ まさに宴の後という課題ですね。

 生駒 そういうことです。また、関西には強いモノづくり企業が多く、家電から医療、ヘルスケア、金融と全ジャンルの企業が揃っています。大企業だけでなく、日本のモノづくりを支えてきた下請け企業が多いことも関西の特徴なので、これら中小・零細企業がそれぞれイノベーションやDX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)に取り組むことによって、万博を機に一気に世界とつながることができます。

 日本が大変な転換期であることは事実ですが、万博をビッグチャンスだと捉えていってほしいし、われわれもできることはサポートしながら一緒に歩いていきたいと考えています。

経済同友会・櫻田謙悟代表幹事の提言「日本再生に向けて 『生活者共創社会』づくりを」




 ─ 昔から関西はポテンシャルがあるのにバラバラになっていると言われるんですが、その辺の課題は?

 生駒 関西は一つではなく、よく関西は一つひとつと言われます(笑)。でも、裏返せば、とても個性的で、輝いているということでもあるので、われわれはこの点を一生懸命に線で結び、その線を面にできるよう取り組んでいるところです。

 ─ では、点を線にし、線を面にするには何が必要ですか。

 生駒 やはり、経営者の意識改革だと思いますし、人材育成だと思います。人材育成というのは、人への投資ですよね。

 これは本気でやらなければならない問題だと思っていまして、投資して、教育しても、すぐに転職されると困ると言う人がいるんですが、わたしはそれでもいいと思っています。一企業としては残念だけれども、それでも関西全体、あるいは日本全体にとっては良いことですから。

 大企業に比べて、中小企業は大きく賃上げをすることはできないかもしれませんが、経営者は賃上げをできるような付加価値経営に会社を変えていかなくてはならない。

 賃上げは利益が出てから……なんて悠長なことを言っている場合ではありません。経営者はもっと知恵を出して、会社を利益の出る体質に変えていかなくてはならない。そうやって、人が輝ける関西をつくっていきたいと考えています。

日本企業の99%を占める中小企業の底上げをどう図るか? 答える人 小林 健・日本商工会議所会頭

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