またも業績が乱高下 『ソフトバンクG』が巨額赤字
財界オンライン / 2023年2月24日 11時30分
「今は守りを固めるタイミング。あらゆるシナリオを想定した安全な財務運営をしながら、投資先の価値向上に引き続き注力していく」
こう語るのは、ソフトバンクグループ(SBG)専務CFO(最高財務責任者)の後藤芳光氏。
SBGの2022年4―12月期の連結業績は、9125億円の最終赤字(前年同期は3926億円の黒字)だった。世界的な株価下落を受け、新興企業に投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」をはじめとする投資事業で多大な損失を出したためだ。
SVF事業の投資損失は5兆68億円。為替の影響でも7280億円の為替差損が発生している。それでも、同社は中国アリババグループの保有株式の一部を売却するなど、合計5兆3716億円の利益を計上した。
あるアナリストは「資金化可能な残りの保有株式数は1.74億株(時価ベースで180億㌦程度、アリババの発行済み株式数の6~7%程度)と推計され、追加の資金化余地はまだ残されている」と見ているようだ。
19年度は9615億円の最終赤字、20年度が4兆9879億円の黒字、そして、21年度は1兆7080億円の最終赤字となるなど、ジェットコースターのように乱高下を繰り返すSBG。
この1年は昨年に比べて、新規や追加を含めた投資を1割以下に縮小しており、当面、同社はSVFの運営コストを削減するなど、守りの采配に徹する考えだ。
昨夏には副社長のラジーブ・ミスラ氏が辞任し、2年前まで3人いた副社長全てが会社を去った。いずれも孫正義会長兼社長の後継候補と目されていただけに、「孫氏の後継者問題はこれまで以上に難しくなった」(同)。
2月には、再生可能エネルギー子会社・SBエナジーの株式の85%を豊田通商へ売却することで合意。東日本大震災後から始めた再エネ事業を縮小し、主力の投資事業に注力する。
そうした状況下、「守りは盤石。いつ積極的な攻めの投資ステージに入ってもいいよう、しっかりと軍資金を確保しておく」と語る後藤氏。守りを固め、反転攻勢のタイミングを見計らう中、孫氏の次の一手が注目される。
「スモールビジネスをテクノロジーで支える」 freee・佐々木大輔の中小企業活性化策
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
農林中金、通期純損失1.5兆ー2兆円規模 資産改善「もう一段」
ロイター / 2024年11月19日 17時39分
-
農林中金、赤字8939億円 9月中間、外債売却損で
共同通信 / 2024年11月19日 17時34分
-
【決算深読み】シャープが2024年度上期に黒字浮上、通期黒字も見通す - ブランド事業が寄与
マイナビニュース / 2024年11月14日 16時7分
-
SBG、黒字転換1兆円 投資先好調、9月中間連結決算
共同通信 / 2024年11月12日 19時43分
-
ソフトバンクG、7―9月期純利益1.1兆円で市場予測上回る 後藤CFO「非常にいい数字」
ロイター / 2024年11月12日 17時22分
ランキング
-
1エンジン不正の日野自動車、工場敷地の5割売却へ…財務基盤の立て直し図る
読売新聞 / 2024年11月27日 15時31分
-
2ドンキの新作弁当 ご飯に盛り付けた“まさか”の具材とは? 開発担当者が「あえて“本物”よりおいしくしなかった」と語る背景
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月27日 16時14分
-
3なぜ鉄道会社が…? 小田急、エリア外の県と「全く畑違いのビジネス」に乗り出す きっかけは“社員の趣味”!?
乗りものニュース / 2024年11月27日 10時42分
-
4中国産「農薬漬けシャインマスカット」が東南アジアで大炎上…怪しい日本語が書かれた“激安ブドウ”の実態
プレジデントオンライン / 2024年11月26日 18時15分
-
5富裕層が日本株を「今、面白い」と注目している訳 個人投資家は中小型株投資ではプロよりも有利
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください