【財務省】少子化対策の「N分N乗」方式 茂木案に否定的な鈴木大臣
財界オンライン / 2023年2月27日 15時0分
岸田文雄政権の少子化対策を巡り、子供が多いほど所得税の負担が減る「N分N乗」について、鈴木俊一財務相が2月3日の閣議後会見で否定的な考えを示した。N分N乗方式は自民党の茂木敏充幹事長が1月25日の代表質問で「何の根回しもなく」(自民幹部)、フランスの制度を参考に打ち出したものだが、議論の出だしから財政当局トップが〝ダメ出し〟した形だ。
鈴木氏はN分N乗方式を「子育て世帯に有利な仕組み」とした一方、所得税に関し「戦後ずっと続いている個人単位の課税から、世帯単位での課税に改めることになる」と指摘。さらに、共働き世帯より夫あるいは妻だけが働く世帯が有利なことや、納税者全体の約6割を占める最低課税5%世帯への恩恵が限られる一方で、高所得者により減税効果が高い点を踏まえ「いろいろな課題がある」と述べ、導入には慎重な考えを示した。
財務省は「実現にはハードルが高すぎる。茂木氏のパフォーマンスだ」(主計局)と冷ややかだ。鈴木氏も周囲に「フランスと日本では事情が違うからね」とぼやく。
一方、所得が一定以上になり扶養対象外となり、税や社会保険料の支払いが生じる「年収の壁」について、岸田文雄首相が解消に意欲を示していることに関し、鈴木氏は「正規、非正規の間の待遇面の差の改善や非正規労働者の正規化なども含め、財務省としても関係省庁と連携し検討を進める」と述べた一方、「被扶養者でない単身世帯の方々との間の公平という問題もある」とも言及した。
税や社会保険が絡む年収の〝壁〟は100万円、103万円、106万円、130万円、150万円、201万円と複数あるが、首相が本当に「異次元の対策」を講じるなら、企業の「配偶者手当」の廃止や、壁を超えて働くほうが得する税や社会保険の仕組みが必要だ。
【政界】岸田政権の正念場 経済再生、安全保障、そして財政難をどう解決するか?
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