【外務省】G7サミット開幕を前に岸田首相のウクライナ訪問で悩む
財界オンライン / 2023年2月28日 15時0分
ロシアがウクライナに侵攻してから2月24日で1年になる。日本は今年5月に広島市で開く先進7カ国(G7)首脳会議の議長国を務めるだけに、国際的な対ウクライナ政策の取りまとめなど、難しい役割を背負わされる。
今の外務省が一番頭を悩ませているのが、岸田文雄首相がウクライナの首都キーウを訪れる日程をどう編むかだ。G7のうち、日本は今年議長国でありながら、唯一、首脳や閣僚のキーウ訪問を行っていない。
自民党幹部からも「首相が直接現地に行き、ゼレンスキー大統領から対面で要望を聞かなければ、議長国としての務めを果たすことができない」という声があがる。外務省は昨年末から、再開した駐ウクライナ大使館などの職員をフル動員させ、侵攻1年の節目を迎える前に首相が現地を訪れることができないか可能性を探ってきた。
しかし、ロシアはキーウを含むウクライナ全土へのミサイル攻撃を続けており、安全上、政府専用機で直接現地入りするのは難しい。外務省が一時期官邸に提案したのは、隣国のポーランドに政府専用機で乗り付け、陸路でキーウを目指すプランだった。
ところが、ポーランドからキーウまで陸路で行くとなると片道1日程度かかり、「東京からの往復に4日見なければならない」(外務省幹部)。
1月23日の通常国会召集後は、首相が4日間も日本を離れる日程を組むのが困難になり、2月段階でもキーウ入りの目途は立っていない。
首相はG7サミットの開幕日となる5月19日までの訪問を至上命題に掲げる。
ただ、同省幹部は「官邸から『あと1日間くらい日程を短縮できないか』と激しく詰められ、ポーランド政府などに特別な対応ができないか打診もしたが、いい解決策が見いだせていない」と頭を抱える。
【政界】岸田政権の正念場 経済再生、安全保障、そして財政難をどう解決するか?
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