”日の丸半導体・ラピダス”が北海道に次世代半導体の新工場建設へ
財界オンライン / 2023年3月16日 15時0分
総額5兆円規模の巨額投資
「北海道千歳市は、水、電力等のインフラに加えて、自然環境との調和においても、半導体の生産に最適。今後、政府による計画や予算の承認を経て、具体的に千歳市とも話し合いを始めていきたい」
次世代半導体の国産化を目指す新会社Rapidus(ラピダス)社長の小池淳義氏はこう語る。
昨年8月、トヨタ自動車やNTTなど、国内の大手企業8社が出資して誕生したラピダス。この度、同社が北海道千歳市に最先端の半導体工場を建設することを決めた。
次世代半導体は、自動運転や人工知能(AI)などの分野で必要不可欠とされ、回路線幅が細いほど性能が高い。現在の先端品は、3ナノ(ナノは10億分の1)メートル。日本は1980年代に半導体で世界を席巻したものの、技術開発競争に敗れ、製造できるのは40ナノ品にとどまる。
挽回に向け、同社が目指すのが、現時点で実用化されていない2ナノ品の次世代半導体。同社は昨年12月に米IBMとの共同開発パートナーシップを締結。先端微細化回路の基礎研究で成果を上げるIBMなどと連携し、2025年に試作ライン、20年代後半に量産ラインを立ち上げることを目標としている。
軍事品などにも搭載される半導体は、米中対立などを背景に経済安全保障の観点から重要性が高まっており、国内での製造基盤強化は喫緊の課題だ。
ただ、先端品とされる10ナノ以下の半導体は、約9割が台湾で製造される。米中対立が激化する中、台湾に有事が起きれば調達が滞る可能性が高い。そのため、政府は半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)の工場誘致に多額の補助金を支給するなどし、国内での製造基盤強化を進めている。
今回のプロジェクトは、政府の補助金支援なども含めて、5兆円規模の巨額な投資が見込まれているという。かつて隆盛を誇った日本の半導体が衰退したのは、〝失われた30年〟で投資を怠ったツケでもある。リスクを恐れていては何もできない。今回の投資は日の丸半導体復活の最後のチャンスと言っていい。
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