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【財務省】選挙を見据えて物価高対策 与党から「バラマキ」圧力も

財界オンライン / 2023年3月30日 15時0分

政府は4月に行われる統一地方選や衆参5つの補欠選挙を見据え、新たな物価高対策の取りまとめを急いでいる。鈴木俊一財務相は3月7日の記者会見で「これまでの原材料価格の上昇や円安の影響で食料品を中心とした値上げが続いている状況だ」と指摘。その上で「与党とも連携し機動的に対応していく」と強調した。

 財務省は、物価上昇基調は続いているものの、新型コロナウイルス禍に伴い低迷していた景気は回復しつつあるとして、財政支出は抑制したい方向。だが、5日、自民党の世耕弘成参院幹事長がテレビ番組で「2022年度の予備費が3月末までは5兆円ある」とけん制した。政府は今後、与党との調整を本格化させるが、選挙を前にバラマキ色は強まりそうだ。

 一方、本来なら鈴木氏が矢面に立っていてもおかしくないのが、子供政策の予算「倍増」を巡る国会論戦だが、相変わらず存在感は薄い。岸田文雄首相は看板政策として「次元の異なる」少子化対策をぶちあげたものの、肝心の財源確保を巡っては財務省が「まだまだ日が高すぎる」(主計局幹部)と静観を決め込んでおり、鈴木氏の国会答弁も生彩を欠いたままだ。

 1日の参院予算委員会で鈴木氏は、2027年度までの5年間で総額43兆円を確保するとした防衛費増額に関し「財源ねん出はぎりぎりだった」と発言。これに対し、野党は「では子供関係の財源はどこにあるのか」とたたみかけた。

 この場は首相が「防衛費増額は『非社会保障費』から行った」と述べておさめたが、主計局幹部は「少子化対策は必要だが『倍増』で出生率が上昇する根拠はない。バラマキは国民に理解されない」と話す。

 この3年は新型コロナの感染状況が政権支持率を左右してきたが、経済・社会活動の正常化で、今後は子供政策が政権に対する評価を左右しそうだ。

【政界】防衛力強化と子育ての二正面作戦 財源確保へ問われる岸田首相の手腕

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