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セコムとDeNAが提携 ロボット活用で独居老人の孤独解消を

財界オンライン / 2023年4月7日 11時30分

シニア向けコミュニケーションサービス『あのね』

「超高齢社会において、われわれは高齢者の方に防犯の先に何を提供すれば、安心・安全につながるかということで、見守りサービスを提供してきた。テクノロジーはどんどん進化しており、新しいテクノロジーを使って次の見守りをつくりたい」

 こう語るのは、セコム常務執行役員の上田理氏。

 警備大手のセコムとIT大手のディー・エヌ・エー(DeNA)が、ロボットを活用したシニア向けコミュニケーションサービス『あのね』を共同開発した。

 現在は高齢化の進展に伴い、一人暮らしの高齢者の数は年々増加。内閣府の調査によると、独居高齢者の約半数は2~3日に1回以下しか会話をしていないという結果も出ている。孤立が続くと、認知機能や身体機能の低下をはじめとしたリスクにつながる恐れがあるとされ、対策は急務だ。

 同サービスは、利用者一人ひとりの生活パターンに合わせて、ロボットが定期的な声かけをするのが特長。朝昼晩の挨拶から、薬の服用時間、暦に合わせた雑学情報などを日替わりで配信する。高齢者にとってわずらわしい初期設定は不要。ネット環境が整備されていなくても、電源を入れるだけで使用できる。

 最も特徴的なのは、会話をする相手が、会話型ロボットにありがちなAI(人工知能)ではないということ。24時間365日、遠隔地でオペレーターが待機しており、利用者が話しかけるとオペレーターが回答を考えるため、人間同士のような会話ができるという。

「人間くささというか、人と人とのつながりを大事にしたいと考えていて、どうしてもAIでは面白みに欠ける部分が出てくるし、後ろに人がいると安心感がある。このサービスを通じて、生活リスクの低減と孤独の解消につなげていくことができれば」(DeNAエンタープライズ事業部事業部長の吉田航太朗氏)

 日本の総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は28・4%(2019年)。今後はさらなる増加が予想されており、ロボットと人間の共存が今まで以上に問われそうだ。

”熱中”がキーワード 『DeNA』が今、ヘルスケアに注力する理由とは何か?

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