私鉄最長のネットワークが誕生 相鉄・東急の「新横浜線」が開業
財界オンライン / 2023年4月11日 7時0分
「沿線住民が新横浜で東海道新幹線とつながり、アクセスが向上する。JR横浜線に乗り換えていた菊名の混雑緩和にも寄与するのではないか」と期待するのは東急電鉄関係者。
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7社局14路線、私鉄最長250㌔に及ぶ鉄道のネットワークが誕生した。
相模鉄道と東急電鉄が相互に直通運転する「新横浜線」が開業。全路線が神奈川県内にある相鉄が東急とつながることで、東急と直通運転する東京メトロ南北線・副都心線、都営三田線、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線、東武東上線とも乗り入れる。
新横浜線の開通で東京や埼玉を含む3都県にまたがる広域ネットワークの登場で、様々な相乗効果が見込まれている。その1つが新幹線へのアクセスだ。JR東海は新横浜線の開業を機に、「のぞみ」の新横浜始発を新設。首都圏を出発する東海道新幹線は東京駅発が大半だが、新横浜線の開業で新横浜駅の利用が増えると見込んでいる。
沿線の不動産への波及効果も出る。東急が手掛ける新横浜線の新綱島駅に隣接する複合ビル「ドレッセタワー新綱島」は住宅棟と商業棟からなる再開発ビル。住宅棟の252戸は低層階で6300万円台と東京都心並みの価格だったが、既に完売。
都心乗り入れが〝悲願〟だった相鉄も、JR東日本との相互直通運転の実現を契機に沿線の再開発に着手。1990年代半ばから輸送人員の減少が続いていた同社にとっては「都心を相鉄線の車両が走ることで興味を抱いてくれる」といった千載一遇のチャンスになるからだ。
相鉄いずみ野線のゆめが丘駅前に「ゆめが丘大規模集客施設」の建設を開始。約140店舗が入居する商業施設をはじめ、分譲・賃貸マンション、駅のリニューアル、駅周辺の高架下空間の開発なども実施する計画だ。
相互直通運転の拡大で各社ともに1本の線路でつながったことによるメリットは大きい。しかしその一方で沿線住民の争奪戦は激しくなる。ハードのみならず、鉄道や不動産、小売りなどのソフトのサービスの充実度が問われることになりそうだ。
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