【金融庁】トラブル続出の〝ミニ保険〟 監督強化で利用者保護に本腰
財界オンライン / 2023年4月13日 7時0分
愛犬の治療費や故障したスマホの修理費、旅行のキャンセル費用などニッチなリスクに対応した「痒い所に手が届く補償」(業界筋)が人気を呼び、急成長した少額短期保険(ミニ保険)。一方で近年は保険金支払いを巡るトラブルも続出しており、金融庁はミニ保険会社に対する監督の強化による利用者保護に本腰を入れる構えだ。
ミニ保険は、保険期間が1~2年以内、保険金の上限が最大1000万円までと、一般の保険に比べて小ぶりなのが特徴。根拠となる法律がなかった無認可共済の受け皿として2006年に制度が導入された。
提供する保険商品の規模が制限される一方、最低資本金1000万円など一定の条件を満たせば財務局に登録するだけで事業を始められる。参入のハードルが格段に低いため、不動産や通信、ネット事業者など異業種の進出が相次ぎ、登録業者数は約115社にのぼる。
一方で、22年にはミニ保険会社の重大な保険金支払いトラブルが相次いで表面化。保険スタートアップ「ジャストインケース」は新型コロナウイルス禍を受けて投入した医療保険「コロナ助け合い保険」を巡り、入院給付金を当初約束した10分の1に縮小。ペット保険を手掛ける「ペッツベスト少額短期保険」は財務内容の悪化から保険金の支払いが滞り、関東財務局から2回の業務停止命令を受け、その後、事実上経営破綻した。
こうした事態を重く見た金融庁は今回、ミニ保険会社向けの監督指針を改正し、市場の育成から利用者保護に大きく舵を切ることにした。規制強化一辺倒に陥らず、ミニ保険市場の健全な成長を図って利用者のニーズに応えられるか。その手綱捌きは難しそうだ。
【金融庁】営業職員の不祥事相次ぎ 生保業界に管理強化求める
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