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【農林水産省】JAの〝自爆営業〟をけん制 農水省が監督指針を改正へ

財界オンライン / 2023年4月14日 11時30分

農林水産省は、農業共同組合(JA)で問題となっている職員の自腹により不必要な契約を結ぶ「自爆営業」に歯止めをかけるため、共済の監督指針を改正し、施行した。

 こうした契約が発覚した場合に、JAは監督する都道府県に対して実態を報告するよう求められる。自爆営業を暗に求める組織的な風土をけん制する狙いがある。

 野村哲郎・農林水産相は記者会見で、自爆営業について「悪しき慣例だった。指針の改正で今後は収まってくると思う」と期待を込めた。

 施行は2月27日。改正指針では、都道府県がJAに対し、農協法に基づく報告徴求命令をあらかじめ発出するよう求めた。同命令を出した自治体では、2月27日以降に締結した不必要な契約が発覚したJAが、原則として1カ月以内に都道府県に実態を報告しなければならない。

 報告を受けた都道府県は、共済推進の目標設定や管理態勢が適切であるかに着目し、不祥事件を検証。組織的な要因で発生したと判断した場合は、必要に応じて業務改善などの処分を下す。

 自爆営業とは、担当職員らが過大なノルマを達成するための手段だが、共済事業の営業を行う職員以外にも及んでおり、所属する職員の過半数が自爆営業に苦しんでいるJAもある。

 野村農水相は「自爆推進というのがあったのは事実だ」と説明。また、JAおおいた(大分市)では20年、共済の自爆営業が発覚した。超低金利が長く続いていたため、共済契約を獲得することで収益拡大を確保していた。

 第三者委員会が調査したJAおおいたの職員の約7割が、給与総額の1割以上を共済の掛け金として支出。共済担当以外の職員も過大ノルマを課せられていた。

 調査報告書は、幹部職員の間に「『ノルマが重い』と言う職員は怠け者だ」との共通認識があり、「この感覚こそが異常だ」と指摘した。

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