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【財務省】「異次元の少子化対策」の財源巡り駆け引きが激化

財界オンライン / 2023年4月24日 18時0分

政府は岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」の試案を公表。子育て世帯への経済的支援や子育てサービスの向上、男性育休の推進など、今後3年間に取り組むべき政策を示した一方、実現の裏付けとなる財源については先送りした。

 今後、政府の全世代型社会保障構築本部の下に首相を議長とする「こども未来戦略会議」を設けて議論する方針だが、今後、政府・与党内で財源を巡り、激しい駆け引きが繰り広げられるのは必至だ。

 鈴木俊一財務相は6月の経済財政運営の指針「骨太方針」までに「必要な施策強化の内容や予算、財源について具体的な検討を深め」た上で子供予算倍増の大筋を示すとしている。

 だが、与党内では「防衛予算の二の舞になる」(自民幹部)と早くも警戒する声がくすぶる。というのも、日韓関係改善やウクライナ訪問などで政権支持率が上昇に転じ、岸田首相が5月に広島市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)後に衆院解散・総選挙に打って出る観測が浮上しているためだ。

 首相がサミット後、通常国会会期末を迎える6月から秋にかけて解散カードをひく場合、その前に家計への負担増につながる財源論を具体化するのは得策ではない。一方で、衆院選で与党が勝利すれば、首相の求心力は高まり、12月末の2024年度予算案編成に向けて負担増を打ち出す可能性がある。

 しかも、「消費税増税は事実上、封印された」(財務省主計局幹部)ため、兆円単位の財源確保に向けて、社会保険料の上乗せが有力視されている。「防衛と少子化で国民と企業の負担が増えれば、賃上げ機運が削がれ景気の腰折れを招く」(閣僚経験者)というわけだ。

 衆院解散の有無はともかく、例年にならえば夏から秋にかけて内閣改造・自民役員人事が行われる可能性が高く、鈴木氏の去就自体も焦点となりそうだ。

「米国株は波乱相場、下落が続く。日本は30年続くデフレを脱却できるかが問われる」スガシタパートナーズ・菅下清廣

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