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旭化成が中計目標を下方修正 コロナ、地政学リスクで環境悪化

財界オンライン / 2023年4月27日 11時30分

説明会を行った、工藤幸四郎・旭化成社長

「期待通り進んでいないが、成長に対する強い執念を持ち続けたい」─。こう強調するのは旭化成社長の工藤幸四郎氏。

【あわせて読みたい】三菱ケミカルグループ・JM・ギルソンの「サステナブル戦略」、CO2原料化など推進

 旭化成は2024年度を最終年度とする中期経営計画の営業利益目標を下方修正することを発表。当初は2700億円を見込んでいたが、「2000億円以上」とした。

 要因は半導体不足の長期化、中国のロックダウンによる需要減退、ロシアによるウクライナ侵攻で原燃料価格が高騰したこと。目標だった2700億円は「2~3年遅れでの達成を目指す」と工藤氏。

 進めるのは生産性向上やコスト削減による体質強化。さらには事業のうち、売上高で6000億円規模を占める石油化学チェーン関連事業で、他社との連携も視野に入れた構造改革を検討している。

 石化再編は、三菱ケミカルグループ社長のジョンマーク・ギルソン氏が他社に呼びかけているが、まだ具体的動きにはつながっていない。旭化成は同社と岡山県水島でエチレンセンターを共同運営しているだけに、今後の動きが注目される。

 工藤氏は「GHG(温室効果ガス)をいかに削減していくかが大事」と強調した上で「我々の技術を理解する、あるいは我々より優れた技術を持つ相手がいれば一緒にやっていく。ただ利益が上がらないから再編では何も解決しない」と話す。

 ただ、脱炭素を巡る世界の動きは予断を許さない。2035年にもハイブリッド車を含むガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出していたEU(欧州連合)が方針を転換し、条件付きで認めることにしたのは、その一例。工藤氏も「少しびっくりした」と話す。

 世界が大きく変化する中で、その変化を捉えたカジ取りが求められている。

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