エサで窒素を削減! 【明治と味の素】が酪農支援で協業
財界オンライン / 2023年5月9日 15時0分
食品業界でライバル企業が手を組んだ。
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「牛乳は栄養価が高く、飲むと心も身体も元気になる。日本の酪農業を守っていく上でも、持続可能な酪農業を実現していきたい」─。こう語るのは明治社長の松田克也氏だ。
同社は味の素と酪農における温室効果ガス(GHG)削減で協業する。GHGの中でも温室効果ガスを巡っては、牛のげっぷに含まれるメタンや排泄物から発生する一酸化二窒素など、酪農由来の排出量が全世界の約3%を占めている。
明治グループはスコープ3(間接排出)で、30年までにGHG排出量の30%削減、50年までに実質ゼロを目指している。
そこで同社が「明治オーガニック牛乳」の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでの間に排出されるカーボンフットプリント(CFP)の算定に着手したところ、原材料の調達が91%を占めたという。
ただ、牛乳の供給網全体でのGHG削減を明治単独で対応することは難しい。そこで白羽の矢が立ったのが味の素。同社が販売するアミノ酸リジン製剤『AjiPro-L』を混ぜたエサを牛に与えることで、ふん尿などから発生する窒素を25%程度削減することができる。つまりは給餌領域でのGHG削減を試みる取り組みだ。
同製剤は味の素の独自技術により開発。通常、牛の小腸まで届きにくいアミノ酸を効果的に届けることができるという。
味の素にとっても明治との協業メリットは大きい。酪農家との接点がそこまで太くないからだ。明治のネットワークを活用して酪農家に自社製剤を届け、GHG削減量や吸収量をクレジットとして国が認証するJクレジット制度を活用することで、味の素が取得したクレジットを明治が購入。その代金を酪農家に支払うことで新たな収益源とする。
ただ、量的には「そんなに多くない」(松田氏)のが現状。そもそも酪農業界では家畜に与える飼料価格の高騰や後継者不足など酪農家を巡る環境は厳しさを増している。両社の取り組みが業界全体を底上げするには、もう少し時間がかかりそうだ。
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