【東京から羽田が直結へ】JR東日本が「羽田空港アクセス線」の本格工事に着手
財界オンライン / 2023年5月4日 18時0分
JR東日本が都心から羽田空港まで直結する「羽田空港アクセス線」の工事に着手し始めた。新線が実現すると、東京駅から羽田空港まで乗り換えることなく約18分で行けるようになる。
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現在、東京駅から羽田に行くためには浜松町駅からモノレールへ、品川駅から京浜急行電鉄へと少なくとも1度は乗換えをしなければならないが、新線が開通すれば乗換えが不要になることで羽田から都心へのアクセスが向上し、東京の国際競争力の強化にもつながりそうだ。
JR東の構想によると、羽田空港アクセス線は「東山手」「西山手」「臨海部」の3ルートがあり、このほど同社が開業時期を示したのが東山手ルート。当初は29年度の開業予定だったが、31年度の開業へと変更された。
東山手ルートは田町駅付近で分岐し、現在休止中の東京貨物ターミナル付近の東海道貨物線(大汐線)を改良。そこから地下に潜り、空港の新駅へとつながる。これによって宇都宮線や高崎線、常磐線からの直通運転も可能となる。
休止している貨物線を新しい路線として有効活用することで新線をゼロから建設するよりも費用負担を抑えることができる。空港から東京駅のみならず、埼玉や群馬、茨城にも乗換えなしでアクセスできるようになれば、「海外の主要空港に負けないほど羽田の魅力が高まる」(関係者)。
さらに開業時期について言及していないが、大崎から南側の「東京臨海高速鉄道りんかい線」の一部線路を活用すると思われる西山手ルートができあがれば、埼京線の渋谷駅や新宿駅、池袋駅、大宮方面とも直結が可能。新宿駅から中央本線への直通も構想されているとも言われる。
りんかい線を活用すると思われるもう1つの臨海部ルートが実現すれば、新木場駅の東側は京葉線とつながり、千葉・房総方面からの直結が可能となる。
東山手ルートの事業費は約2800億円。他のルートもそれなりの事業費がかかると見られる。景気状況は異なるかもしれないが、建設が始まったときの資材費がどれくらいになるかは気になるところだ。
羽田アクセスを巡っては、東急電鉄と京急との「蒲蒲線」が動き出している。いずれも利用者にとっては利便性向上に寄与するだけに、実現を切望する声は多い。
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